中小企業に再就職する為の教育も必要

ーなるほど。これから中小企業では大手企業の経験人材を活用することが多くなると思うので、是非貴社の取り組みが進めばよいなと思います。ところで本日のセミナーはニコン日総プライム様の主催なのでしょうか?

 そうですね。セミナーはニコン日総プライムの主催で、ニコンの定年前の社員にも声をかけて開催しております。

ー最後の質疑応答でも多くの質問が出ていましたね。お聞きしていると、やはり参加された皆さんもそれぞれ多少の不安を抱えられているとお見受けしたんですが、そういったご様子を吉田社長はどのようにご覧になっていますか?

 定年前のニコン社員に行う研修では「早めの準備が必要ですよ」と話をしますが、これまでずっと同じ仕事を続けてますのでね、なかなか意識の切り替えが難しいと思って見ています。
そこで我々がいろんな情報をインプットしたり、啓発したりするんですが、正直言って定年直前では遅いと思ってます。

ーおっしゃる通りだと思います。もっと早くてもいいですね(笑)

 ニコンではいま、58歳から「キャリアデザイン研修」をやってまして、やっぱり少しずつ前倒しをして、定年後について考えてもらう期間を早めに与えたりなどはしていますが・・。 

 できるだけ早いタイミングでの意識改革を、ニコンと協力しながらやっていくっていう、今後はそのようなことが必要だと思っています。 

 今日のセミナーの質疑応答で「質問は出るかな」と最初は少し心配はしていたのですが、皆さん以前と違い少しずつ意識が変わってきているような気がします。危機感を持ちつつあるというか。

ー私もいろんな会社様のお話をお聞きする機会がありますが、ニコン様はシニア社員の方々を大切にされていますよね。

 そうですね。
 企業にも二通りあって、どちらかというと早いタイミングで「お金をあげるからこの後のことは自分で考えて」という会社と、定年後もシニア人材を活用するという企業に分かれますね。

 会社それぞれかなとは思いますが、ニコンはこれまでシニア人材の活躍をすすめる方針で来ていますし、ニコン日総プライムという会社が出来た理由としては、その方針を更に発展させて「ニコン内」だけではなくて「ニコン外」も視野に入れるようにということです。ですから、時代に合わせてそのような変化が起きているとも言えますね。

ー最後に、吉田社長から中小企業の経営者さんたちに何かお伝えしたいことはありますか。

 中小企業さんもいろいろでしょうから、一概に言えないところはあります。ただ、大企業で働いていた方が中小企業へ行くのはハードルがあるのは確かですね。

 大企業の人たちは割とスキルも意識も細分化されています。中小企業では、営業技術があれば営業もやらなきゃいけないし、幅広い視野が必要になりますね。うまくコミュニケーションを取って馴染んでいくことも必要ですし、中小企業へ行くための心構えなどもこれから教育していこうと思っています。

 まだまだ元気で頑張りたいという意欲がある人はかなりいますから、ぜひ年齢にこだわらずに大企業出身者も使ってほしいと思っています。

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