中小企業に再就職する為の教育も必要

当サイトのコラムを担当いただいている高平ゆかり先生による「定年後の職業生活設計~10万時間をいかに過ごすか~」セミナーが3月23日に開催されました。今回は株式会社ニコンと日総工産株式会社の協業により2020年に設立された「株式会社ニコン日総プライム」の高年齢社員とニコンの定年前社員の方々を対象としたもので、200名以上の参加者で賑わっていました。セミナー終了後、株式会社ニコン日総プライムの吉田社長に本セミナー開催の目的を含めてお話を伺いました。

セミナー冒頭で挨拶をされる吉田社長
講演される高平ゆかり先生

ー今日は有意義なセミナーに参加させていただきまして、ありがとうございました。
貴社はまさに経営理念そのものが「働き続けられる社会を創造する」と据えられていますが、まずは「シニア世代の仕事」と「生涯現役」ということについて、社長のお考えを教えていただけますでしょうか。

 はい、本日のセミナー講師の髙平ゆかり先生も仰っていた通り、これからどんどん少子高齢化が続いて、そうすると労働人口が減っていきますね。やはり、女性や高齢者の方々、外国人とか、そういう方々にどうしても活躍して頂かないとならない社会が到来してくるんだろうな、これはもう紛れもない事実だろうなと思っています。

 私は、今後中小企業や地方自治体等で、これまで大企業での経験を積んだ人材を活用できる道がないかどうかを探っています。それがいずれ社会課題の解決になれば良いと考えています。 

 現在ニコン日総プライムはニコンの定年退職者の多くを受け入れいれています。ジョイントベンチャーの相手方である日総工産(NISSO)、人材サービスの会社ですけど、そこのノウハウやネットワークを使って、定年後の方々のための仕事の開拓をしていければと頑張っているところです。

 目指すは「生涯現役、社会課題解決」ということで、いずれはニコンだけではなく他の企業でも我々のノウハウが活きていけばいいなと思います。

ーではニコン日総プライムは人材派遣を主業にされていらっしゃるということですね。

 人材派遣というと特定された領域の派遣業になりますから、もうちょっと幅広く「人材紹介」、あるいは最近「人材シェアリング」とかいろんな形態がありまして、我々は総じて「人材サービス業」と呼んでいます。 

ーなるほど。現サービスの中で、シニアの方の割合はどれくらいなんでしょうか。

 全体で、いろんな職場に派遣で仕事をされている方は大体1100人ぐらいですね。その中の半分が、いわゆるニコンを定年した再雇用者になります。

 我々は、企業を支えてきたこれらの方々への敬意とこれからも引き続き社会に必要な人材として幅広く活躍し続けて欲しいという想いをこめて「プライム社員」と呼んでおります。都度人数の変動がありはしますが、1100人のうち半数くらいがシニアの方ということになります。 

ーなるほど、この方々の仕事先は基本はニコンさんなのですか?

 そうです。基本はニコンの中で仕事をして、定年前とほぼ同じようなお仕事をしております。定年を迎えて役割が変わったという方も多いですが……。 

ーニコン以外にも、これからまた広げていかれるということですか?

 はい、もう既にニコン以外での活躍事例もあります。今まさに中小企業で働いている人たちもいれば、地方自治体に人材を派遣しているケースもあります。「地域活性化起業人制度」という国の制度がありまして、それを我々が受託して人を派遣するといった、そういう仕事があったりします。 

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