エイジレス社会って何?

日本における「エイジレス社会(Ageless Society)」とは、高齢者(シニア)と若者が共に社会参加し、互いに支え合いながら共に活躍する社会を指します。少子高齢化の進行による生産人口の減少を補完するために、多様な世代が共存することが必要とされる中で、エイジレス社会の実現が重要視されています。以下に、日本におけるエイジレス社会の課題や取り組みについてまとめてみました。

超高齢社会にまっしぐらの日本

日本は高齢者の割合が増加し、若年層の減少が進む超高齢社会へ向けて加速度的に進んでいます。このような人口構造の変化を背景に、エイジレス社会の概念が広がっているのです。エイジレス社会は、年齢に関係なく個々の能力や適性を尊重し、偏見や差別を排除して、すべての世代が共に生き、活躍できる社会を目指すものです。

エイジレス社会の課題の一つは、高齢者の積極的な社会参加の促進です。高齢者は豊かな経験や知識を持ち、地域社会や産業において貴重な存在です。そのため、定年年齢の引き上げや再雇用での賃金の見直しなどが企業側でも進められています。さらに、ボランティア活動や地域づくりにおける高齢者の活躍も重視されており、社会の一員としての役割を果たすことも行政として支援も行っています。

そして、もう一つの課題は多様な世代の共生を推進する取り組みです。高齢者と若者が交流し、互いに理解し合い、共に成長することが重要視されています。若者による高齢者支援や高齢者による若者支援が行われる一方で、異世代の共同生活を実現する施設やイベントも考えられています。これらの取り組みにより、世代間の絆や連帯感が高まり、社会全体が活気ある共生社会となることを目指しています。

働き方改革や多様性の尊重

エイジレス社会の実現には、政府・自治体、企業、市民の協力が必要不可欠です。政策レベルでは、高齢者の雇用促進や福祉サービスの拡充、若者の就業支援や教育機会の充実などが重要な施策として進められています。企業においては、シニア向けの働き方改革や人材の多様性の尊重が求められます。市民においては、エイジングラボやボランティア活動などに積極的に参加することが、エイジレス社会の形成に寄与するものと考えられています。

しかし、いっぽうで若者の雇用不安や貧困問題も深刻です。地域差や社会的背景により、エイジレス社会の実現が進展する速度にばらつきがあります。これらの課題に対しても、包括的な施策と持続的な取り組みが必要とされます。 エイジレス社会は、日本の将来を担う重要な社会モデルです。個々の世代が互いに尊重し、共に成長することで、社会全体が豊かで持続可能な社会を築くことができると考えられています。政府、企業、市民が連携し、エイジレス社会を実現するために、さまざまな取り組みを続けていかなければならないのです。

プレシニアからの準備

生産人口の減少を補うためにシニアと若者世代が共生していく社会。いうなれば、働けるうちは労働することで社会とつながっていく時代を迎えているということです。実は、終身雇用制という言葉もだいぶ魅力が薄れてきています。なぜなら、現状ですと60歳で定年を迎えて65歳まで再雇用されても、ある程度安定したリタイアをするまでに、あと5年から10年は少なくとも働く社会になってきているからです。最新の情報では70歳まで働けるような制度変更を考えている企業もあるようですが、企業の新陳代謝を考えると、そのような企業が主流となることは難しいと思われます。

これまでのシニアの再就職の流れでいきますと、頭脳労働ではなく、どちらかというと肉体労働的な作業の職種への転職が多く見受けられてきました。もちろん、会社の仕事で求められるスキル以外に主体性を持って様々なスキルを身につけてきた人は別ですが、ずっと同じ会社で働いたままでは多様なスキルの獲得は厳しいのが現実です。その結果、再就職先の選択肢が限られてしまうということになるのです。当然に、スキル以外にもメンタルの柔軟性というのも重要なポイントではありますが……。

要するに、エイジレス時代の到来とは、40歳頃のプレシニアのうちに社会の流れを踏まえたキャリアパスの設計が必要ということなのです。70歳までの20年以上ものキャリアを考えるなんて、仕事やスキル獲得を計画していくことなんて会社経営以上に壮大なことと思われるかもしれません。しかし、現代の事業計画と同じで、状況をみながらアジャイルで計画の修正を行っていくことで乗り越えていくほかないのです。そして、早め早めにシニア世代に向けたキャリアパスを描いていくことで、プレシニアのうちに余裕をもってスキル獲得も行えます。

40歳から50歳のプレシニアの間にキャリアパスを描いたからといって、時代の流れで思った通りにいかないという状況も当然ながら想定されます。ですので、社会の動きに対して敏感でいることが重要です。デジタル社会となり、これから、作業ロボットや人工知能がますます社会に浸透していくことでしょう。そういったことも踏まえながら柔軟に、そして、俊敏に対応していけるスキルを獲得していくことで、若い世代と共生していける柔軟性も身についているに違いありません。

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