シニアにとって重要な課題である介護
こんにちは、講師の蔭山です。
シニアの年齢に近づくと、自分自身の介護や両親の介護にはどのくらいお金がかかるの?と心配する方は多いです。
なぜなら、急な出費や介護離職なる介護のために仕事を辞めなければいけなくなることなどもあり、出費だけではなく収入が途絶えることもあるからです。
介護の相談を受けるときに必ず皆さんにお伝えするのは、「教育費と介護はかかるのではなく、かけるのだ」と。いくらかけることが出来るのか、そして、どんなサービスが受けられるのか? さらに、公的な介護保険がどこまで活用できるかも知っておく必要があるのです。
介護にあたって必要な金額はどれくらい?
生命保険文化センターの調査によると、介護の平均期間は61か月(※1)となっています。ですから、5年という期間にどのくらいの金額が必要になるのかを考えるのも目安になるかと思います。もちろん、5年は平均での数値ですから、もっと長くなるケースの方もいます。
また、当然のことですが、必要となる費用も介護状態の区分によっても異なります。在宅介護の場合は、介護保険サービス(デイサービス・訪問介護など)の自己負担分と介護サービス以外の費用(おむつ代など)が必要です。そして、施設利用での場合の平均支出額が12.2万円に対して、在宅の場合が4.8万円だそうです。それぞれに61ヶ月をかけると、施設の場合は約744万円、在宅の場合は約293万円となりますから、在宅のほうがかなり経済的な負担は少ないことになります(※2)。
介護を行った場所別の介護費用(月額)
介護保険が利用できる要介護者向けの施設には、公的なものと民間の施設があります。 施設の費用は下記くらいかかるようです。
公的施設は民間と比較すると費用が安価、入居一時金も不要です。月額費用(施設介護サービス費の自己負担分・居住費・食費)は基本的に一律ですが、要介護度や部屋のタイプや、所得によって異なってきます。
このように、介護施設に入居すると経済的な負担は大きくなります。しかし、施設介護の場合はご家族の介護負担が軽減されるメリットもあります。
介護にあたって出費可能な金額はどれくらい?
皆さんが受け取る年金額はいくらになるか。そして、ご自身が介護になったときにどのくらいの資金が出せて、どのようなサービスを受けたいのか。すなわち、年金と介護に必要な金額の差額が用意しないといけない金額になります。
一つアドバイスとして、
ご両親の介護については、まずはご両親の資産でどのくらい出せるのかを考えましょう。皆さんが支援して差し上げることも必要ですが、ご自身の将来の資産形成も大切です。
当然のことですが、公的なサービスを受けられるのはいくらかを調べる必要もあるでしょう。
介護に初めて直面したときには、わからないことが多くて当たり前です。介護については、皆さんのお住いの市区町村の地域包括支援センターで相談を受けることができます。介護認定を受けるためケアマネージャーの紹介や介護施設の紹介を受けるなど、しっかりと相談されることをお勧めします。
もちろん、自身が介護状態にならないように予防をすることも大切です。生活習慣を整え、定期的な運動を行い、社会参加することで老化を防止することもできます。お金だけではなく、健康についてもトータルで考えてみることも忘れずに。
※1:生命保険文化センター令和3年「生命保険に関する全国実態調査」より
※2:あくまで調査での平均値での計算です
※3:一部公営の施設があります
100ten.school 所属、ファイナンシャルプランナー(AFP) / 派遣会社をはじめ、企業、地方自治体で数多くのマネーセミナーに登壇。年間300人近くの資産アドバイスを担当しており、豊富な経験、知識から年金や資産運用、金融商品、保険など基礎的なことからわかりやすく解説。
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