資格のすゝめ(2)FP編

ファイナンシャル・プランナーとは?

セカンドキャリアに向けて、シニア、プレシニアの皆さんに、新たなスキル獲得の参考にしていただくためのリスキリング企画「資格のすゝめ」。第2回目の今回はファイナンシャルプランナー(FP)について解説いたします。

人生100年時代と言われる現在、定年後も現役として働き続ける人が増えています。変化し続ける社会情勢に適用していくためにも、新しいスキルを身に付けるのが必要です。FPの資格取得は、自分の老後の生活設計を立てるときにも役立つ資格といえます。

シニアにおすすめの資格であるFP3級、2級、1級

FPとは個人や家庭の財務状況を評価し、将来の金融的な目標を達成するための計画を策定し、アドバイスを提供する専門家です。FPの主要な役割は、顧客が資産を最適に管理し、将来のニーズや目標に対処できるように支援することです。資産状況、経済環境を踏まえて顧客の夢を達成するアドバイスを行う職種といえるでしょう。人生の夢を叶えるために資金の計画を立て、経済面から実現する方法が「ファイナンシャル・プランニング」です。

そして、FPの学科試験で学ぶ範囲は、「ライフプランニングと資金計画」や「リスク管理」、「金融資産運用」、「タックスプランニング」、「不動産」、「相続・事業継承」の6種類。実技試験で学ぶ範囲は資産設計提案業務となります。

FPの資格を活かせる業界

FPの資格を活かせる業界は金融機関や保険会社、また、一般の企業となります。特に銀行や証券会社、保険会社はFPの資格取得を推進しています。

もちろん、独立してFPとして働くのも可能です。自分で事務所を立ち上げるほかに、FP会社に所属したりする人もいます。その他にも、セミナーや講演の講師として活躍する人や雑誌や新聞などで執筆活動している人もいます。

FP資格に向いている人

FP資格に向いている人は、数字に強い人や常に知識を増やすことに積極的な人といえるでしょう。また、顧客の情報を基に提案していくため、聞く能力や話す能力も求められます。さらに、相談の内容がお金に関することですので、相手に安心感を与えられることも職務として必要なことと考えられます。

1級、2級、3級FP技能検定の難易度

資格取得するための勉強方法は、独学でも通信講座でも自分に合った勉強スタイルで計画すれば良いと思われます。なぜなら、どの級のテストも過去問題からの流用が多いため、確実に過去問題を解けるようにすることが重要であるからです。

また、1級、2級、3級ファイナンシャル・プランニング技能検定に関しては、日本FP協会と金融財政事情研究会の2団体が、国家検定であるファイナンシャル・プランニング技能検定(FP技能検定)の実施団体として厚生労働大臣から指定された試験機関となっています。年3回実施される試験をどちらで受験して合格しても、資格の価値に優劣はありません。ただ、合格率に関しては、日本FP協会が個人の受験者が多く、金融財政事情研究会は団体の受験者が多いことから、日本FP協会のほうが合格率が高いといわれています。その理由は、団体受験よりも個人受験の方が合格への取り組みの真剣度が高いとされているからです。

資格取得のための勉強時間の目安ですが、3級は80〜150時間程度、2級は150~300時間とされています。そして、1級は2級の倍といわれているので300~600時間は必要ということになります。また、1級は2級に比べて基礎・応用どちらも難易度が格段に上がり、範囲も広がりますが、学科試験において、1級と2級の試験科目は同じなので、2級に合格したら、なるべく早く1級試験を受けることが推奨されています。

まとめ

セカンドキャリアのためのリスキリングとしてオススメのFP3級、2級、1級。本企画で前回取り上げました中小企業診断士の資格取得のための勉強時間の目安は1000時間でした。単純比較はできませんが、勉強に必要な時間数的にはFPはトライしやすい資格であると考えられます。数字に強く、お金の管理が好きという方は資格の取得を検討されてみてはいかがでしょうか。

追加情報:FPとAFP、CFP®との違い

FP資格を取得している方の名刺には、AFP、CFP®というワードが記載されている方もいます。これはFPとはどのような違いを持つ資格なのかをご説明しておきます。

AFP(アフィリエイテッド・ファイナンシャル・プランナー)とは、FPの知識を持ち、相談者に対してアドバイスや提案ができるFP技能を習得したものに与えられる民間資格です。AFPの取得方法は、国家資格である2級FP技能検定を合格した後にAFP認定研修を受講し修了すると、AFP認定者となります。

また、CFP®(サーティファイド・ファイナンシャル・プランナー)とは、世界が認めるプロフェッショナルFPの証です。FP1級と並ぶFPの最高ランクの資格となります。FP1級は日本の資格ですが、CFP®は北米やアジア、ヨーロッパなど世界26カ国・地域(2022年3月現在)でも広く認知されています。CFP®認定者は、高度な知識と経験を活かして、総合的な視点から適切なアドバイスを行い、他のFPの模範となる職業倫理を身に付けているプロフェッショナルです。CFP®の取得方法は、AFP認定者がCFP®資格審査試験6課目に合格後、エントリー研修を受講・修了し、登録申請を行うとCFP®の認定者となります。CFP®は通算3年以上、そして、AFPは2年以上の実務経験を持っているのが必須であることを考えると資格取得に至るまでには、それ相応の時間と労力を要します。

FP技能検定に関しては2団体が試験を実施していましたが、AFP、CFP®に関しては日本FP協会のみでの資格認定となっています。

さらに、AFP、CFP®は一度取得したら、一生、認定者を名乗れるというものではないのです。両資格ともに、定められた継続教育期間に継続教育単位を取得し、更新手続きを行う必要があります。継続教育期間は認定者ごとに異なり、常にスキルとナレッジをアップデートしていかなければならない資格であります。

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