定年後の情報を交換する女子トーク会

ー繋がりが大事ということで、定年女子カフェというトークの場を設けたのですね。
今日がその定年女子カフェの開催日ですが、内容を詳しくおしえてください。

石崎:その前に定年女子の定義をお話しさせてください。定年女子は定年した女性という意味ではありません。定年を考えている女性です。この委員会では、自分の働き方をちょっと変えてみようという、そのリセットするタイミングを“定年”ということに定義しています。その“定年”を考えている女性や、考えたい女性を「定年女子」と呼んでいます。だから年齢も働き方もいろいろです。

石崎:具体的な活動としては、奇数月は『とくいなタイム』で「とくいニスト」を招いて、その人の得意なことを教えてもらいます。『とくいニスト』は全員定年女子の仲間なんですよ。「とくいニスト」は私やりたい!という定年女子にお願いしています。何でもいいんです、自分の得意なことを教えてって言います。そういう人に教えてもらうことが、すごく他の人たちもラッキーだし、そこでおしゃべりもできるし、そういう『とくいなタイム』が奇数月。

偶数月はというと、毎月第2土曜日にテーマを決めてそれについて語り合うおしゃべり会ですね。定年女子カフェはオンラインとリアルのハイブリッドで開きます。

ーそれをこの場所で、定期的にされているのですね。

石崎:はい、このシェアカフェ&アートギャラリー「ウナ・カメラ・リーベラ」で開催してます。ここは、日々店主が入れ替わるという面白いカフェなんです。

取材時のとくいなタイムは、ボードゲームで地域コミュニティづくりを目指す定年女子が「とくいニスト」の、「ボードゲームの体験会」。

ーあと、他の活動としては定年女子フォーラムですか。

勝木:1回目はオリエンテーションとワークショップをやりました。

石崎:「定年女子のオリエンテーション」というテーマで、いろいろなデータを集めて、定年女子は何を考えたらいいかというコンテンツを作りました。さらにそれに合わせたワークショップを用意して「あなたは自分の年金がいくら出るか知っていますか」「自分の会社の定年は何歳か知っていますか」といったことをグループで確認し合ったり、話したり。

―ホームページを見ると、フォーラムは全部で6回開催されましたね。

石崎: 2回目は早期退職した人の話を聞きました。

3回目は定年まで勤め上げた後、雇用延長に入った人と、定年まで勤め上げてから起業した人と、2人呼んで、それぞれが何に気をつけたかとか、どんなふうに考えたかを聞く会をやりましたね。話を聞いたのはすべて同年代か少し上の働き続けてきた女性です。

石崎:4回目は女性の社会保険労務士を呼んで、社会保険と年金について女性に特化した内容で基礎を教えてもらいました。

そして5回目のテーマが健康で、更年期を中心とした女性医師と鍼灸師さんの講演。更年期をどう乗り越え、その後のウェルビーイングをどう上げていくかっていうことは、定年女子にとって結構大事なことだと、ちょっと前から考えていたので。

勝木雪子 副委員長

勝木:6回目が稲垣えみ子さんのお話を聞く会。稲垣えみ子さんは朝日新聞社の記者でしたが、50歳で会社を辞めました。辞めるまでの間に10年かけて価値観を育てたっていう記事を読んで、何それぜひ聞きたい!と感じました。

石崎:会社価値観でずっと生きてきて、辞めても生きていけるような価値観を10年かけて育てたと書いてあり、すごいなと思って。

「その話が聞きたい。テーマは価値観。私たちの価値観は、やっぱりどこか会社価値観に縛られているかもしれない」と気づかされ、それでもう何としても話を聞きたいと、お願いしました。

ーすごく充実したフォーラムだと思いますが、参加費は取られるのですか。

石崎:参加費は頂きますけど、私たちに入るお金は、全然ないのよねぇ。赤字になることもたびたび。

ーほぼほぼ、ボランティアですね。

石崎:いや、完全にボランティアです(笑)。

ーそのようなことを続けられているものは、使命感のようなものでしょうか。

石崎:使命感とはちょっと違うかな。

勝木:自分の将来がかかっているとでも言いますか、今を楽しくして良い状態にすることで、その先も楽しくなると思うから。

石崎:お金のことを考えなければ楽しいですよ。集まる人も結構おもしろい人が多くて。この活動を通じてそういう人たちと出会えるっていうのは楽しいんですよ、やっぱり。

勝木:だから、今は別で稼いで、定年女子トークはボランティアでもいいかなって感じです。

石崎:3年後か5年後か10年後かわからないけど、ここで私たちがこういうことをやっていることが、きっと何かに活きるはずって思っています。これが多分原動力かな、使命感とはちょっと違いますね。

詳しい情報を知りたい方は、定年女子トークのホームページをご覧ください。

*シェアカフェ&アートギャラリー「ウナ・カメラ・リーベラ」

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