メンバーシップ型雇用からジョブ型雇用へ

転ばぬさきの現代学(3)雇用制度の見直し

ジョブ型雇用

国内の企業における雇用に対する考え方が変わろうとしています。

近年まで「メンバーシップ型雇用」の形態が長らく続いていました。これは日本独特の雇用形態あり、終身雇用制が前提のもとで成り立っていた考え方です。

しかし、日本経済低迷期のなか、終身雇用制は崩壊し転職することが当たり前の世の中になりました。メンバーシップ型の会社組織において、業務の属人化が進み業務範囲や必要スキルが担当者任せの状況となり、その者が突然退職することで業務にどのように対応したらよいのかがわからない、という問題が多発しました。そのことから会社組織として業務の仕組化が行われるようになり、業務範囲、必要スキル等が明確化されるようになってきたのです。

その結果、雇用形態についても欧米で主流の「ジョブ型雇用」へ変わってきているのです。では、この「メンバーシップ型」と「ジョブ型」とではどのように違うのでしょうか?

「メンバーシップ型」とは

「人に仕事を割り当てる」考え方で「会社の一員」として雇用されます。その後は会社主導で担当業務が割り振られ、異動や出世をしていくことで会社内にてキャリア形成を築いていきました。希望を出すことで他の業務へ移ることも場合によっては可能です。そして賃金は「人」に対して支払われ、年齢、勤続年数、能力等で賃金が決まりました。長期間勤めることを前提とするので転職に関しては年齢のハードルが高く、35歳を超えてキャリアアップ目的の転職は非常に難しいです。また基本的に会社内で通用するスキルを身に付ければよく、主に与えられた業務を遂行することでスキルアップしていくことができたのです。

「ジョブ型」とは

こちらは逆に「仕事に人を割り当てる」考え方で「業務を遂行する者」として雇用されます。該当する業務に対してのスキルを持ち合わせることで雇用されるので基本的に異動はありません。もし異動を希望する場合はその業務についてのスキルを身に付けることが必要です。何のスキルを身に付け、そしてどのように高めていくのかはその人個人の主導で行い、転職も視野に入れながら自分自身が主体となりキャリアを築いていくこととなります。そして賃金は「仕事」に対して支払われます。仕事の難易度に応じて賃金が決まるのです。また年齢問わずキャリアアップ目的の転職が可能となりますが、プロフェッショナルとしてのスキルが必要となるので社内外問わずスキルを高めることや、資格を取得する等の自己研鑽をしてスキルアップすることが必要です。

ジョブ型雇用に対応していく為には

ジョブ型雇用へ変わっていくことはシニア、プレシニアの人にとっては追い風になるのではないかと考えられます。なぜなら、スキルを持ち合わせていることで仕事を得るので、年齢があまり関係ありません。また、身に付けたスキルを持って転職をすることもできますし、新たなスキルを身に付けることでキャリアチェンジも可能です。これは定年後に再就職を行う場合でも当てはまります。

但し、それにはジョブ型雇用に対応していくことが必要です。長年勤めていることでメンバーシップ型の働き方から脱却できず、会社の看板や社内での肩書きでしか居場所を確立できない人にとっては非常に厳しい状況に陥ってしまいます。その為にも自分自身のスキルを明確に把握することが重要です。その為にも自分自身の棚卸しをすることをお勧めします。棚卸をすることで自分自身への理解が深まると共に新たな気づきがあり、想定してなかった道に就く等が起こりえるのです。 棚卸しを行う際は「会社の看板、肩書が無い状況で何ができるのか?」というパーソナルスキルを基準で行うことが大切です。また紙に書き出すことをお勧めします。その為のツールとして「ジョブカード」がありますので是非活用してみて下さい。

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スキルを棚卸しする上で

棚卸しをする際にはパーソナルスキルとして以下の3つスキルに着目してください

1)テクニカルスキル:業務を遂行する為に必要なスキル。パソコン操作や接客などの汎用的なものや特定の業界についての知識や技術、また設計、プログラミング等専門的なものも含む。

2)ヒューマンスキル:人間関係を構築するためのスキル。コミュニケーション能力や、プレゼンテーション能力等。人間性も含まれる。

3)コンセプチュアルスキル:問題解決やイノベーションを起こさせるスキル。物事の本質を捉え、論理的思考や戦略的思考能力等が求められる。

テクニカルスキルばかり挙げてしまいがちですが、シニア、プレシニアの人たちにはヒューマンスキル、コンセプチュアルスキルにより着目してみて下さい。長年の社会経験で得たものは非常に大きな武器となります。

棚卸しを行うことでご自身の経験やスキルが「見える化」されていきます。そのことで今まで気づかなかったスキルや、複数のスキルを組み合わせることで自分だけのパーソナルスキルがあることに気づくことでそれが強みとなるのです。

まとめ

長年お勤めになると、これまで従事していた会社、業種、職種以外での仕事には就くことができないと思い込みがちになってしまいます。ジョブ型雇用の時代に変化してきた今、これまでの経験、身に付けたスキルによって様々な道へ進むことができるようになりました。その為にも自分自身を知る「自己理解」が非常に大切です。転職、再就職を検討する際には、まずはご自身の棚卸しを是非行ってみて下さい。

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