シニア世代のダイエットは本当に健康にいいの?

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シニアの栄養管理(6)ダイエットすべきケースとは?

シニア世代でもダイエットは関心が高い事項だと思いますが、本当に実行すべきなのでしょうか。「歳を取ってからはやせるほうが危ない」と聞くこともあるため、あえてダイエットしない方もいると思います。結論から言うと、シニア世代のダイエットの可否は、人によると考えましょう。では、どんな人がダイエットに適しているのか、今回の記事で詳しく解説します。あわせてダイエット中のルールもご紹介します。


ダイエットに適しているケース


まずはご自身がダイエットに適しているかどうか、見ていきましょう。下記のチェックリストに当てはまったら、ダイエットにより健康的な生活を送れる可能性が高くなります。

・血糖値が高いと言われている
・メタボリックシンドロームやその手前だと言われた
・BMIが肥満の範囲になっている
・体重が増加した
・中性脂肪値が高い

ダイエットによりインスリンの効きにくさを解消し、血糖値の改善につながります。メタボリックシンドロームやその手前の方も、ダイエットにより腹囲の改善ができ、生活習慣病のリスクを低減できるでしょう。BMI(手軽に肥満度が分かる指標)が肥満と判断された場合も、生活習慣病等のリスクが高まっていますので、ダイエットがおすすめです。

【BMIの計算方法】

体重(kg)÷身長(m)の2乗=BMI

例:70(kg)÷1.55(m)×1.55(m)=29.14

BMI肥満度
18.5以下やせ
18.5~25以下標準
25~30以下肥満(1度)
30~35以下肥満(2度)
35~40以下肥満(3度)
40以上肥満(4度)

そのほかにも、体重が増加傾向にあり医師から指摘を受けている方や、中性脂肪値が高い方もダイエットにより改善できる可能性が高まるため、ぜひ取り組んでみましょう。

注意点として、無理なダイエットは体調不良や低栄養につながる恐れがあります。特に持病がある方は、医師の指導のもとダイエットするようにしましょう。また、本当にダイエットが必要かどうか主治医の判断を仰ぐことも大切です。高齢者はダイエットで栄養状態が悪化する恐れがあるため、おすすめできません。

食事制限ダイエットだけではやせにくく運動が必要

若い頃は食事制限だけで簡単にやせたかもしれませんが、シニア世代は食事制限だけでは十分に効果が出にくくなります。その理由は、加齢により基礎代謝量が減るからです。基礎代謝量は筋肉量とも関係があり、加齢により運動量が減ると筋肉量も減ってしまいます。そのため、シニア世代のダイエットは「食事の見直し」「運動」の2本柱が必要です。

運動はウォーキングがおすすめ

シニア世代の運動は、ウォーキングからはじめるのがおすすめです。特別な道具がなくてもすぐにはじめられ、難しいルールもありません。20分以上歩くと脂肪燃焼効果が高まると言われていますが、普段運動しない人が急に長時間歩くと辛くなる可能性もあるため、最初は5分程度でもよいでしょう。慣れてきたら10分に延ばし、徐々に時間を延ばしていくのが理想です。

家の周囲を歩くだけでなく、通勤経路を一部徒歩に変えてみたり、エスカレーターを階段に変えたりするだけでも、よい運動になります。

ダイエット中の食事のルール

ダイエットの効果を高めるには、食事内容にも気を配る必要があります。ここでは食事の基本となるルールを4つ紹介します。

1. 三食きちんと食べる

まず、3食きちんと食べることが鉄則です。確かに欠食することで摂取エネルギー自体は減りますが、筋肉量の維持に必要なたんぱく質が不足したり、健康維持に欠かせないビタミン類やミネラル類が不足したりするため、不健康なやせ方になる可能性があります。また、欠食することでかえって体脂肪を蓄積しやすくなることが分かっています。健康的にダイエットするためにも、必ず3食摂るようにしましょう。

2. たんぱく質をしっかり摂る

たんぱく質は筋肉量の維持や臓器、血液、細胞など、体のあらゆる場所で必要な栄養素です。つまりたんぱく質が不足すると、体を作る成分が不足するため健康的にやせられなくなります。肉類の脂質が気になるのであれば、脂身の少ない部位を選んだり、茹でる・蒸すなどの油を落とす調理法を選んだりするとよいでしょう。また、たんぱく質は肉類だけでなく、魚介類・大豆製品・卵・乳製品に含まれているため、それぞれバランスよく取り入れるとよいですね。

3. なるべく脂質の少ない食事を選ぶ

ダイエット中は揚げ物や脂質の多い食材をふんだんに使用した食事は、できるだけ避けるようにしましょう。脂質は少ない量でもカロリーが多く、体重増加や生活習慣病の原因となります。ただし、極端に脂質を制限する方法はおすすめできません。脂質は肌や髪のツヤを保つ役割や、ホルモンや細胞膜などの材料になるからです。毎日の食事内容を見直して、脂っこい料理を食べる回数を控えるとよいでしょう。

4. おやつは良質なものを選ぶ

おやつは体にいいものを選ぶとよいでしょう。中でもおすすめは、たんぱく質が摂れるチーズやヨーグルト、ビタミン類が摂れる果物、ミネラル類が摂れるナッツです。ただし、絶対に甘いお菓子を控えないといけないわけではありません。我慢しすぎるとストレスがたまり、かえって甘いものをたくさん食べてしまうので、週に1回など回数を決めて取り入れましょう。

まとめ

シニア世代がダイエットすることで、生活習慣病予防にもなり、健康的な生活につながります。冒頭で紹介したチェックリストに当てはまったら、ぜひダイエットに取り組んでみましょう。ただし、持病がある方や高齢者の場合は我流のダイエットでは、かえって健康状態が悪化する可能性があります。必ずかかりつけ医に相談し、ダイエットの方法を指導してもらうようにしましょう。

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