どんな悩みも人間関係が原因

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シニアにオススメの一冊(8)『嫌われる勇気』

人生100年時代となり、科学も医学も日々進化している現代ですが、そんな時代でも様々な悩みを抱えているのが人間です。老若男女問わず悩みを抱え、解決するためにはどうしたらいいのかと考えている方も多いのではないでしょうか。

『嫌われる勇気』はフロイト・ユングと並ぶ「心理学の三大巨頭」の1人であるアルフレッド・アドラーの提唱したアドラー心理学をテーマにしています。

人間が幸せになるための方法や、悩みを消し去る方法などを具体的な例を紹介しながら哲人と青年の対話形式で進められています。

・他人の目が気になって生活がしにくい

・職場や家庭などで人間関係をより良くしたい

・人生をもっと幸せなものにしたい

このような悩みを抱えている方に、最適な一冊といえます。

今抱えている悩みを少しでも解決したい、人生をより良いものにしたいと考えている方は、ぜひ読んでみてください。

著者紹介

『嫌われる勇気』の著者は岸見一郎(きしみいちろう)さんと古賀史健(こがふみたけ)さんです。

岸見一郎さんは京都出身の哲学者です。京都大学大学院文学研究科博士課程を満期退学し、1989年からアドラー心理学の研究を始めました。そして、日本アドラー心理学会認定カウンセラーで顧問です。精力的にアドラー心理学や古代哲学の執筆、講演活動、精神科医院にて青年のカウンセリングを行っています。著書には『アドラー心理学入門』などがあります。

古賀史健さんはフリーランスライターです。書籍のライティングを専門として、ビジネス書やノンフィクションで数多くのベストセラーを手掛けています。20代の終わりにアドラー心理学と出会い、その後何年も岸見さんを訪ね、本書ではアドラー心理学の本質を「対話篇」へと落とし込みました。著書に『20歳の自分に受けさせたい文章講義』があります。

嫌われる勇気のポイント

「嫌われる勇気」は悩みを抱えているすべての人に読んでいただきたい1冊です。この本にかかれていることを実践できれば、多くの悩みを解消することができます。しかし、すべてをご紹介することはできませんので、この記事では特に重要なポイントを3つご紹介します。

・すべての悩みは「人間関係の悩み」である

・課題の分離

・他者貢献

それぞれのポイントを詳しく解説します。

すべての悩みは「人間関係の悩み」である

『嫌われる勇気』の中ではすべての悩みは「人間関係の悩み」であると言われています。この考え方はアドラー心理学の根底にある概念です。

つまり他者と関わらなければ悩みは生まれないとも考えられますが、人間は他者と関わらずに生きていくことはできません。誰でも必ず他人と関わって生きています。アドラー心理学ではどんな悩みも根底には「人間関係」が原因となっているといいます。

具体的には他人と比較してしまうからこそ、悩みが生まれるのです。

・学校の成績が悪いと悩む→自分より成績が上の人と比較している

・才能がないと悩む→自分より成果を出している人と比較している

・お金がないと悩む→自分より収入が高く、お金がある人と比較している

すべて比較する他者の存在があり、対人関係があるからこそ、悩みが生まれているということを理解することが重要です。

他人と比較することをやめて、ありのままの自分を受け入れることが、悩みを減らすために必要不可欠です。

課題の分離をする

『嫌われる勇気』の中ではトラブルを減らすためには「課題の分離が重要なポイントである」と紹介されています。課題の分離とは、これは誰の課題なのかという観点から「自分の課題」と「他者の課題」を分けて考えるということです。

あらゆる対人関係のトラブルは「他人の課題に土足で踏み込んでしまうこと」が原因であると本書では書かれています。例えば子どもが勉強をしないという課題を例に考えてみます。

親であれば、なんとか勉強させようと考える人がほとんどだと思います。ですが、勉強をしないという問題は「親の課題」ではなく「子どもの課題」です。親が無理やり勉強をさせることはできても、子どもは勉強を好きにはならないでしょう。

課題の分離をして他人の課題に踏み込まないようにするだけで、対人関係のトラブルは減り、人間関係は大きく変わります。

本書の中では「馬を水辺につれていくことはできるが、水を呑ませることはできない」ということわざが紹介されています。このことわざからもわかるように、他人の課題を無責任に放置するということではありません。環境を整えるなどの援助を必要に応じて行います。それでも自分の課題を解決できるのは自分だけなのです。

今問題になっていることが、自分の課題なのか、他人の課題なのかを見極めることが、良好な人間関係には大切です。これは職場や家庭など、あらゆる状況の人間関係をより良いものにするために大切な考え方といえます。

他者貢献

本書の中では「幸福とは貢献感」であると書かれています。この貢献感を得るために重要なのが「他者貢献」という考え方です。他者貢献というと自分を犠牲にして他者に尽くすことだと考えてしまう人がいますが、それは違います。仕事や家庭などで、自分の価値を実感するためにこそ「他者貢献」が必要になるのです。

会社や学校、家庭、地域など共同体で他者貢献をしていくことで、その共同体のなかで、自分は誰かの役にたっているという実感を得ることができます。自分が誰かの役に立っているという思いを持てれば、自分の価値を実感できます。貢献感は他人ではなく、自分が判断することです。

仕事や勉強でも、他者はライバルであり、勝ち負けを基準に考えてしまう人も多いです。勝ち負けを基準に考えれば、他者に貢献することはできません。まずはあなたが、職場や家庭でどのような他者貢献ができるのかを考えてみてください。小さなことでも、あなたが他者貢献を意識して実行することで、人生は幸福に近づきます。

幸福は自分の考え方1つで実現できる

この記事では古賀史健さんと岸見一郎さんの『嫌われる勇気』についてご紹介しました。

・すべての悩みは「人間関係の悩み」である

・課題の分離

・他者貢献

誰でもその人なりの悩みを抱えています。悩みを解決するためには考え方を変えることが重要です。『嫌われる勇気』で紹介されているアドラー心理学は、ストレスが多い現代社会において、悩みを解決して幸福に近づくための道標になります。

なにか悩んでいることがある方や、人間関係をより良くしたい、幸福を掴みたいと考えているシニア、プレシニアの方はぜひ読まれてみてはいかがでしょうか。Amazonでの購入はコチラから。

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