何のために勉強をするのか

シニアにオススメの一冊(6)「50歳からの勉強法」

2021年4月に施行された改正高年齢者雇用安定法のことは、多くのシニア、プレシニアの方はご存知のことと思います。企業に65歳までの雇用確保を義務づけるとともに、65歳から70歳までの就業機会を確保するための施策を講じることを努力義務とした「70歳定年法」ともいわれていますね。

定年後もずっと働いていたいという方もいれば、そんなに長くは働きたくはないけれども生活のために働く必要があるという方もいるでしょう。

今回、ご紹介する本書の中で著者は「75歳現役社会論」という言葉を使っています。健康に留意すると共に、脳の活動を停止させなければ、この考え方が現実のものとなっていくことは誰も否定できないと思います。

ますます社会のDX化が進行し、人工知能を活用した働き方も広がっていく現代を生き抜いていくためには常に学び続けることが必要不可欠となっています。『50歳からの勉強法』では、50代から勉強をすることの重要性や学んでいくためのポイントなどが具体例とともにわかりやすく説明されています。

・定年後にも起業など新たなことにチャレンジしたい

・勉強したいと思ってはいるが、どうしたらいいのかわからない

・老後も元気に充実した生活を送りたい

このように考えている方に最適な1冊といえます。

目次

著者紹介

著者は和田秀樹(わだひでき)さんです。

和田さんは1985年に東京大学医学部を卒業されている精神科医。立命館大学生命科学部特任教授、和田秀樹こころと体のクリニック院長も務めています。

精神科医として働きながらも、書籍の執筆や映画監督としての面もあります。1987年に『受験は要領』がベストセラーになり、現在まで多数の著書を執筆されました。

主な著書には『受験は要領』『80歳の壁』『大人のための勉強法』『70歳が老化の分かれ道』などがあります。

50歳からの勉強法のポイント

本書はまるまる一冊が、これから定年に向かう、また定年後の生活に不安を感じているプレシニア、シニアの方々には参考になるものばかり。すべてを詳しく解説したいところですが、本書の中でも特に重要なポイントを3つ取り上げていきたいと思います。

・なんのために勉強するのかを大切にする

・意欲低下への対策が大切

・アウトプットを目的に勉強する

これらのポイントを意識するだけで、勉強の質は確実に上がると著者はいいます。

なんのために勉強するのかを大切にする

50歳から勉強をするうえで、「何のために勉強をするのか」を明確にすることがとても重要。なぜならば、勉強の目的を明確にすることで、より充実した時間を過ごすことができ、目標を達成しやすくなるからです。

勉強の現実的な目的は大きく4つあると本書には書かれています。

1 )今の仕事で、さらに上を目指すための勉強

2 )すぐに、もしくは、定年後の起業の準備としての勉強

3️ )夢を実現するための勉強

4 )仲間づくりのための勉強

目的を明確に持つことにより、勉強への意欲や集中も高まります。そして、勉強の目的によって、勉強方法は変わります。ですから、勉強を始める前に目的を決めることは重要なのです。視点を変えていうならば、目的がない勉強を続けても、成長に繋がらないということになります。

意欲低下への対策が大切

50代からの勉強では意欲低下を防ぐことが大切になります。なぜなら、40代から60代にかけては、脳の前頭葉の萎縮と、男性ホルモンの分泌量低下によって意欲が低下する年代だからです。意欲が低下すれば、勉強へのモチベーションを維持することも困難になります。

欧米では男性ホルモンを増やすために、ホルモン補充療法を行うそうですが、日本では普及していません。ですが、前頭葉の老化防止には、意識して前頭葉を使う生活をすることが効果的であることがわかっています。

前頭葉を使う生活とは「想定外なことや刺激がある生活」です。毎日の生活や仕事がルーティン化していると、前頭葉はどんどん萎縮していきます。

趣味や投資といった、想定外の刺激がありそうなことに、プレシニアのうちからチャレンジすることで、前頭葉の萎縮は予防できます。定年後に起業などチャレンジしたいことがある方は前頭葉に刺激を与え、意欲や創造力を衰えさせないように努めることが大切ですね。

アウトプットを目的に勉強する

勉強を始めるときはアウトプットを前提にすることが大切です。なぜなら、せっかく勉強をしてもアウトプットしなければ、学んだことをどんどん忘れてしまうからです。アウトプットをしていくように心がければ、勉強したことは記憶として定着していきます。

例えば、アウトプットの方法には以下のようなものがあります。

1)学んだことを人に話す

2)ブログやSNSで発信する

3)実際に学んだことを行動にうつしてみる

現代ではネットも発達し、誰でも情報の発信ができます。学んだことを積極的にアウトプットしていくことで、自分の知識として定着するだけでなく、インプットの質も上がります。

また、アウトプットでは脳を積極的に使うため、記憶のトレーニングにもなり、一石二鳥なのです。これから何かの勉強をするのであれば、アウトプットすることを前提にインプットしていくことを心がけてみてはいかがでしょうか。

50代からでも常に学び続ける姿勢が大切

これまで和田秀樹さんの『50歳からの勉強法』について、簡単にご紹介しました。

・なんのために勉強するのかを大切にする

・意欲低下への対策が大切

・アウトプットを目的に勉強する

平均寿命が伸び、働く期間が長くなっていく現代社会において、自身の価値を高めていくためには勉強することは避けられません。定年後にむけて準備を進める大切な時期が50代。充実した学びをすることがその後のキャリアに影響します。

ぜひ、ご自身の理想を実現するためにも、和田秀樹さんの『50歳からの勉強法』を読まれてみてはいかがでしょうか。

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