台湾も日本同様、少子高齢社会化が進行中
今回の訪日の目的は、現在台湾が課題としている「高齢者の健康寿命延伸」と「高齢者と若年層との協働」についての日本の現状視察、またそれぞれの課題に対するアプローチをしている日本国内の各団体との意見交換会の実施です。訪日にあたり、シニアライフデザイン協会にも申し入れをいただきました。
5月23日(火)、台湾の大手保険会社、南山生命の副社長、陳 碧玉(Eva Chen)さんをはじめ、張 明秋(Nicole Chang)さん、劉 明昌(William Liu)さん、王 采姝(Judy Wang)さん、盧 珮瑛(Patty Lu)さんの5名の方々と、台湾の経済部(日本の経済産業省に相当)が設立した、台湾最大の研究開発機関である台湾工業技術研究院(ITRI)の何 佳娟(Saki Ho)さんと、廖 聖愷(Andy Liao)さんの、合計7名の方々が協会を訪れました。ITRIは南山生命と共に「スマート医療介護及び、健康エリア創出プロジェクト」を推進しており、スマート介護と健康ライフを主軸とした健康長寿に関する研究を進めています。
それぞれの高齢社会課題と対策を情報交換。最後は和やかな雰囲気に
討議はシニアライフデザイン協会メンバーに加え、一般社団法人シニアセカンドキャリア推進協会代表理事高平ゆかり氏、人材サービス大手アデコ株式会社公共事業プロデューサー佐藤大輔氏にもご臨席いただき、日本の高齢者の労働状況をお伝えしました。約2時間、台湾と日本の高齢社会課題や、高齢者の意識の違い、などについてさまざまな意見交換をおこないました。
意見交換では台湾の皆さんからご質問を多くいただきました。
「どうして日本では高齢者の労働意欲が高いのか?」
「高齢者になっても働くというのは、お金をためて将来やりたいことがあるからか?」
「シニアライフデザイン協会は、なぜ高齢者の就労支援をしているのか?」
台湾では高齢者になってからの労働意欲はそれ程高くなく、日本の高齢者の労働意欲が高いことに驚かれていました。
意見交換会も最初はぎこちない空気が流れましたが、熱心に討論をしているうちに日本のシニアの現状やそれを取り巻く状況も理解された様子で、会の終わりごろには打ち解けた雰囲気になりました。
国は違っても高齢社会の課題と対策は双方ともに参考になる部分も多く、今後の情報共有や交流を約束しながら最後は記念撮影をおこない、別れを惜しみつつ散会しました。
今回は思わぬ海外からのお問合せと訪問に大変驚きましたが、シニアライフデザイン協会の活動に海外から反応があったことは、私たちにとっても大きな励みになりました。これを機会に、今後も台湾の南山生命様とシニア関連サービスのデザインについて情報共有や意見交換を継続していきたいと思います。