還暦Hanako世代とセカンドキャリアを考える

CASE1、立木さんのご相談

立木さん

再雇用制度を利用しようか、60才で辞めようか、今まさに悩んでいます。
継続してキャリア形成支援の仕事に取り組みたい気持ちもありますが、60才過ぎても1日に7時間も働くのかとか、健康寿命を考えるといつまで趣味の山登りができるのかとか、考えてしまいます。
今後は、時間や気持ちのゆとりを大事にしたいと思っています。

今年まさに定年で、雇用環境が変わります。60才以降どうしようと悩んでいます。再雇用で雇用継続するかどうかは、定年半年前の今年6月までに決めなくてはなりません。

以前は60才で辞めようと思っていました。辞めて、3ヵ月間位海外旅行でもしようかと思っていましたが、母と後どれ位一緒にいられるかと考えるうちに、そんな気持ちもなくなりました。

仕事に関しては、役職定年になって、いい意味でラクになりました。これまで忙しくて仕事に関して勉強する時間がなかったのですが、勉強をしたいという気持ちもあります。その一環としてキャリアコンサルタントの資格も取りました。今は、キャリア形成支援が、自分の仕事の軸になっています。この分野の仕事に取り組むことで、後輩への道筋を作ることもできます。

うーん、でも、まだ1日に7時間働くのかとも思ってしまいます。自分の年齢を考えると、いつまで健康でいられて山に行けるかなと。

60才以降は1年ごとの契約なので、いつでも辞められると思うと、気持ちはラクになります。65才まで働くことにこだわりはありません。
セカンドキャリアで大事にしたいことは、時間や気持ちのゆとりです。穏やかで、健康で、ていねいな暮らしができるといいなと思っています。これから新たな仕事をしようという気持ちはありません。

髙平ゆかり先生のアドバイス

今の職場で、キャリア形成支援という分野で、やれるところまでやってみてはいかがですか?今の時代、65才まで働くのは当たり前になってきていますよ。

まだ時間はたっぷりあります。65才から90才まで実に10万時間もあるんですよ。働くことで健康も維持できますし、何より、あなたにしかできない仕事があるのですから。

60歳定年を前に色々と迷いますよね。でも、今の仕事で、行けるところまで行ってみてはいかがですか?
キャリア形成支援という分野で先頭を切って道筋を作る感じですね。再雇用の人や定年が視野に入った人をしっかり活用するという人材マネジメントは人事として考えなくてはならない課題です。

再雇用で働かないおじさんを生み出してしまう企業は組織が不活性化していき、年功序列型組織への課題感もお持ちですから、引き続き今の職場でやれることは沢山あるのではないでしょうか?
他にこれといってやりたいことがないなら、そのまま今の仕事を続け、キャリコンとしての実務や経験を重ねると、次のキャリアが見えてくるように感じます。

ゆとりのある生活とおっしゃっていますが、時間はたっぷりあります。90才まで生きるとしたら、65才から10万時間もあるんですよ。働くことで健康も維持できて、年金額も上積みになります。
65才まで働くのは今や普通のことです。これからの時代、70代まで長く働くようになるかもしれませんよ。
定年を前にとてもいい準備をされてきた立木さん、責任感が強い!

CASE2、加藤さんのご相談

加藤さん

2年後位に、自分の故郷の函館か、夫の故郷のフランスに拠点を移せればと思っています。
会社に雇われるのはもういいな、自分で何かやりたいなと思っています。
じゃあ、何ができるのか?というと、まだ答えが見つかっていません。
今後は、社会と関わりをもって、楽しく暮らすことができればいいなと思っています。

今年7月に60才になります。半年前に雇用延長するかの確認があり、ポジションがあれば、65才まで会社に残るのは可能です。もともとは、60才になったら、故郷の函館で町おこしに関わりたかったのですが。

夫は今大学院に通っていて、あと2年間かかります。ですので、2年間は今の会社に残ろうと思っています。この2年間で、今後どこで何をするかを考えようと思っています。実際何ができるのかわかりませんが、会社に雇われるのはもういいなと思っています。自分で何かやりたいと考えています。昔、副業でカフェをやった経験がありますが。

夫にはフランスに帰りたいという気持ちもあるので、函館か、フランスか。理想としては、両方が繋がるものがあればいいな、両方を拠点にできるといいなと思っています。フランスでお醤油を扱う小さなお店ができたらいいなと妄想したりしています。
函館は空き家が多くて、空き家でAirbnbというのもありかなと考えています。

夫は、中国語、英語、スペイン語、フランス語ができるので、それを生かした仕事ができるといいなとも思っています。夫の病気のためには、社会と関わりをもって、気持ちよく暮らすことが、大切なようです。

髙平ゆかり先生のアドバイス

将来に向けて描いているイメージが具体的にあるので、心配はなさそうですね。
きっとちゃんと選択していけると思います。
より良い選択をするためには、生活設計のベースとなる、マネープランや健康プランを立てることをおススメします。あまり心配しすぎないことも大事です。

函館か、フランスかなんて、ステキですね。ご主人と加藤さん両方の掛け合わせで、何かできればいいですね。
函館の町おこしは、第三セクターやNPO法人と関わりながらやっていくという方法もあります。
将来に向けてしっかり描いているものがあるので、心配はなさそうです。
ご主人のご病気の様子を見ながら、やれることを判断していこうという感じなんですね。
きっとちゃんと選択していけると思います。
選択をする時に大切なのは、将来に向けた経済プランを立てること、具体的には、年金を含めた収入と支出のバランス。そして、健康プランも考えてみて下さい。どちらも漠然と頭に描くだけでなく可視化することで、迷いや不安が整理されていきますよ。

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