60代ハナコ、シニアとしての第一歩

藤本真穂さんが社会人になったのは男女雇用均等法が導入される1年前。女性の社会進出が本格化していく中で、藤本さんは、大手調査会社、百貨店の研究所、マーケティングコンサル会社などで、マーケティング担当として、途切れることなく仕事をされてきました。

そんな藤本さんが、還暦を迎える今年10月を前に、3月にプチ早期退職をされました。60才を迎えることへの素直なお気持ちや今後に向けてのお考えなどについて、お話をうかがいました。

ー還暦を目前にして、20年以上勤めてきた会社を辞めたのはなぜなのでしょうか。

今年の10月に60才になるのですが、昨年の末位に今後について会社と話し合う機会がありました。60才を区切りに、退職しようと思いました。同じ会社の再雇用で65才まで仕事をするというのもありだったとは思うのですが、次に新しいことを始めるなら、少しでも早いほうがいいと考えたからです。それに、新しいスタートを切るなら4月からがいいなと思い、会社と相談の上、3月末に退職しました。

実際に会社を辞めてみたら、会社のことは全然気にならないんです。

4月からは、月に2回世田谷区の野菜作り講座に通っています。1年間の講座が終わると、世田谷区農業サポーターとして登録できるようになります。本格的な農業のお手伝いはできなくても、収穫時の忙しいときのお手伝いなどができたらいいなと思っています。

ー農業の講座に通っているのですね。

前職で健康情報誌の仕事をしていて、食と健康に関心をもつようになりました。また、コロナ禍で飲食業がダメージを受け野菜が廃棄されたりするようなことが起き、食の重要性を意識するようになりました。ベランダで野菜を作ってみたり、貸農園を借りたりと、農業に以前より興味をもつようになりました。食、生産者の近く、地元ということで、農家をお手伝いできないかと区役所に相談したら、農業訓練の講座を案内してくれました。農家で働くのは大変過ぎてできないな、就農はできないなと実感していますが、何らかの形で農業に関わりたいという気持ちはあります。

ー農業と関わる以外で、当面どのように過ごそうとお考えになっていますか。

今は失業保険をもらっています。この間に次のことを考えたいと思っています。来年の春位からは、会社に入るという意味ではなく、働きたいと思っています。農業でお金を貰えるようにはなれないので、農業の周辺かなという気もしています。

それと、遠くまで仕事をしに行きたくないという気持ちがあります。電車に乗って仕事に行くような生活はもうしたくないのです。地元の世田谷で働きたい。近所を歩くと、飲食店、パン屋さん、居酒屋のまかない付きなどいろいろ募集があるなぁと眺めています。世田谷区のシニアの募集を見ると、介護関係の仕事と保育園の補助の仕事が多くて驚いています。この分野は人が足りないんですね。こういう方向で働くのもありなのかもしれませんが、本当にやるなら勉強をしたほうがいいのかもしれません。地元が好きで、地元に貢献したいという気持ちはあります。今は、そんなふうに漠然と考えているレベルです。

ーこれまでお仕事されてきた中で、ご自分の強みはどのようなことだと思っていますか。

仕事として共通してやってきたのは、クライアントからいただいた課題を消費者インタビュー調査やアンケート調査から検証して、こうしたほうがいいということを導き出すことです。説明するのはちょっと難しいのですが・・・。例えば、インタビュー調査の仕事で、私はインタビュアーではありませんが、クライアントにインアビュアーが聞き出したことを伝える、プロジェクト推進係みたいなものです。これまでのキャリアを積んだ藤本真穂として仕事ができればいいなとは思います。

でも、これまでのキャリアにはこだわりません。東京大学の秋山弘子先生が「これからの時代、キャリアを2回積み重ねることができる」とおっしゃっていて、なるほどなと思っています。ですから、まったく違うことにチャレンジすることもありだと思っています。これまでオフィスワーカーしかしてこなかったので、例えば体を動かすようなことをしたいです。初心者でも受け入れてくれて、少しでも人の役に立つことができればいいですね。

違うことにチャレンジする中で、これまでのキャリアで身に着けたものやネットワークが役に立てばいいかなとは思っています。特に、人との繋がりは活かせるのではないかと思います。

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