シニアに役立つ経済学

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シニアにオススメの一冊(9)『60歳からの知っておくべき経済学』

経済学が60歳以上の人に相応しい理由

高齢者にとって、経済学を学ぶことには多くのメリットがあります。経済学は個人の財務管理から国家経済の理解まで幅広い分野をカバーしており、特に60歳以上のシニアの人々にとって有益な学問といえます。以下に、具体的な理由と例を挙げて説明します。

1. 個人の財務管理と投資

60歳以上の人々は退職後の生活を計画するために、資産管理や投資についての知識が不可欠です。経済学を学ぶことで、金融市場の動向や投資商品のリスクとリターンを理解することができます。例えば、定年退職後に安定した収入を確保するために、どのような投資が適しているかを判断する能力が身につきます。株式市場や債券市場の基本的なメカニズムを理解することで、適切な投資戦略を立てることができるでしょう。

2. 年金制度と社会保障の理解

経済学は公的年金制度や社会保障制度についての理解を深めるのにも役立ちます。シニアにとって、自分が受け取るべき年金額や、どのタイミングで年金を受け取るのが最も有利かを知ることは重要です。経済学の知識を活用することで、例えば、早期年金受給と遅延年金受給のメリットとデメリットを分析し、自分にとって最適な選択をすることができます。また、政府の財政政策や税制の変更が年金に与える影響を理解することも可能です。

3. 健康経済学の応用

シニアにとって、医療費の管理も重要な課題です。経済学の中でも健康経済学は、医療サービスの費用対効果や保険制度についての理解を深めるのに役立ちます。例えば、医療保険の選択肢を比較検討し、最適な保険プランを選ぶ際に、経済学の知識が役立ちます。また、医療サービスの価格形成や供給と需要の関係を理解することで、医療費の節約や効率的な利用が可能になります。

 4. マクロ経済学と公共政策

シニアは社会全体の経済動向や公共政策の影響を受けやすい層でもあります。マクロ経済学を学ぶことで、景気変動やインフレーション、失業率などの経済指標が生活にどのように影響するかを理解できます。例えば、インフレーションが上昇すると生活費が増加し、固定収入の年金だけでは生活が厳しくなる可能性があります。こうした経済状況を予測し、対策を講じるための知識を得ることができます。

5. 経済学を通じた社会参加

経済学の知識は、地域社会やボランティア活動を通じた社会参加にも役立ちます。多くの高齢者は、退職後も地域の経済活動に貢献したいと考えています。経済学を学ぶことで、地域経済の課題や可能性を理解し、効果的な解決策を提案することができます。例えば、地域の中小企業の支援活動や、シニア向けのビジネスコンサルティングなどにおいて、経済学の知識が大いに役立ちます。

経済学を学ぶことで、60歳以上の人々は個人の財務管理や投資、年金制度や社会保障、医療費の管理、マクロ経済の理解、地域社会への貢献など、多岐にわたる分野で実用的な知識を身につけることができます。これらの知識は、高齢者がより豊かで安定した生活を送るための重要なツールとなります。経済学を学ぶことで、高齢者は人生の新たなステージにおいても積極的に知識を活用し、社会に貢献することができるのです。

オススメの一冊

そんな経済学を学ぶのに、今回、オススメする一冊が『60歳からの知っておくべき経済学』です。学び直しを意識した60代以降のシニアを対象にしながらも、数字や公式などに苦手意識を持っている方にもわかりやすいように、説明されている1冊です。

著者の高橋洋一さんは東京大学を卒業後、大蔵省(現在の財務省)に入省し。大蔵省理財局資金企画室長、内閣府参事官などを歴任。小泉内閣、第一次安倍内閣ではブレーンとして活躍し、「ふるさと納税」や「ねんきん定期便」などの政策も提案されました。現在は嘉悦大学ビジネス創造学部の教授や、株式会社政策工房代表取締役会長を務めています。

高橋さんは本書のなかで「経済学とは人々の資源の生産、分配、消費の過程を研究する学問である」と。そして、経済学を学ぶためには「歴史を遡って過去の経緯を調べること」と「海外の事例を調べること」の2つが重要であると書かれています。経済学はもとより、現在の日本や海外の情勢、政策などに興味を持っている方にはオススメの一冊であります。

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