「年齢によるしがらみをなくす」をコンセプトに、2021年10月に設立された株式会社エイジレス。同社は、フリーランス向け案件マッチング事業「エイジレスフリーランス」、人材紹介事業「エイジレスエージェント」などを展開しています。
今回、ディレクターの岩崎小太郎さんと、広報の菊地愛子さんに、業務内容や今後についておうかがいする機会を得ました。岩崎さんは、大学生の時に(株)エイジレスの1号インターンとして参画し、今年の4月に新卒社員になられた、なんと23歳のフレッシュマンです。
ー(株)エイジレスの立ち上がりの経緯を教えてください。
菊地)弊社は、もともとキャリア支援という切り口でスタートしたわけではありません。まず、「エイジレス」という概念やコンセプトがありました。創業当初はミドルシニア向けのYouTube動画コンテンツの制作、ミドルシニア向けのコーチング事業からスタートしました。
創業から半年後、事業の軸をどこに置くかを改めて検討した結果、ミドルシニア向けのキャリア支援にしようとなりました。2022年の4月にフリーランス向けのマッチング事業を始め、夏ごろから人材紹介事業にも広げていきました。
ー岩崎さんは今どのようなお仕事をされているのですか。
岩崎)先ほど申し上げたとおり、弊社にはフリーランスマッチング事業と人材紹介事業があるのですが、私は、フリーランスマッチング事業の営業を担当しております。人材の集客はマーケティング部門がおこない、私は集客したミドル・シニアの方との面談、案件のご紹介、成約にいたるまでと就業後のフォローを担当しています。
週に10人程の方と一人約45分の面談をおこないます。面談では、経歴書を見ながらキャリアの深堀や、希望条件のヒアリングをします。一人の方に対して、オンライン面談を一回、その後はメールや電話でのやりとりが基本です。ケースによっては、直接お会いすることもあります。
マッチングする際には、どういうスキルを持っているかがカギになります。IT業界が多いという背景もありますが、当社がお付き合いするクライアント様については、年齡での採用判断よりも能力やコミュニケーション、経験を重視されることが多いですね。当社がそのような指向性の会社様との関係性を深めているというのももちろんあります。
ーIT業界でのマッチングが多いのですね。
菊地)IT業界には、2025年問題があります。特に保険業界や金融業界などは、既存のレガシーシステムから新システムへの移行に伴い、昔のプログラミング言語やツール、環境に適応できる方が重宝されています。それに対応できる方は、40代以上のエンジニアに多く、ミドル・シニアへのニーズが高まっています。
ーIT業界以外への展開はお考えですか。例えば、広告業界や出版業界などは、IT業界のように、すんなりとミドルシニアと仕事のマッチングができていないのですが・・・
菊地)弊社はIT系のプラットフォームは整っています。一方で、それ以外の業種は、個別案件毎の対応となっており、ご希望に添えないことも多いのが現状です。中長期的にはIT系以外の領域にも事業を広げていきたいと考えています。マッチングのしやすい、例えば法務、経理などの管理部門や施工管理といった専門職が次に来ると思います。まずは、豊富なスキルがあるのに、働ける場がない方にしっかりと機会提供をしていきたいと考えています。それが、日本経済の活性化に繋がっていくと思います。
ーIT業界であっても、ミドル・シニアの活用に躊躇するお客様もいらっしゃるかと思います。そういう時には、どのような説明をされるのですか。
岩崎)「50代、60代は・・・」というお客様は確かにいらっしゃいます。でも、1回成約していただけると、その後はハードルが下がりリピートいただけることが多いです。
お客様には次のようなメリットをお伝えしています。まず、わかりやすいのがコストメリットです。フリーランスの場合、40代以下と比較して、50代以上は希望単価が下がる傾向があります。二つ目は、単価に対して、経験、スキル、ネットワークなどのパフォーマンスが高いということです。三つ目は、SDGsやIR面で、企業のイメージアップにも寄与します。その他、20代~30代の若手より、企業へのロイヤリティが高いという点もあります。
ーフリーランス事業で成約する年齢はどれくらいの方が多いのですか。
岩崎)2023年4月1日現在で、中央値が57.5歳、平均年齢が52.6歳、最低年齢が27歳、最高年齢が72歳です。人数としては、60代前半が多くなっています。もともとフリーランスの方が多いのですが、50代で早期退職を考えている方や、60代で定年退職された方もいます。