管理栄養士

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資格のすすめ(12)管理栄養士とは

管理栄養士とは病気や病気になる手前の人、噛みづらい・飲み込みづらいなど食べることに問題を抱えている人などを、食事面からサポートする仕事です。一人ひとり抱えている問題が異なるので、専門知識を活かして栄養管理を行います。

健康の大切さを身をもって体感しはじめるシニア世代にとって、「食」は興味のある分野のひとつではないでしょうか。ただし、誰でも管理栄養士を名乗れるわけではなく、取得条件があります。

今回は管理栄養士の仕事内容や、資格取得方法、取得するメリット、セカンドキャリアで管理栄養士として働く際のポイントなどをご紹介します。

仕事内容

管理栄養士の仕事内容は、職域によって異なります。

<活躍できる職場>

  • 病院
  • 老人福祉施設
  • 障害者支援施設
  • 企業
  • スポーツ
  • 養成施設・研究機関
  • 小中学校 ※栄養教諭の場合、年齢制限を設けている自治体もある
  • 行政機関 ※年齢制限がある自治体も多い

例えば病院では、病気を患う方に沿った食事内容を考案し、実際に給食として提供します。食事量が増えないなどの問題があれば、ベッドサイドを訪問し、患者さんから聞き取りを行い食事内容を改善することもあります。他職種と連携し、多角的に状態の改善を図るのも病院ならではの仕事です。医療の現場なので、高度な専門知識が必要とされます。

それぞれの職域の仕事内容は、日本栄養士会のホームページをご覧ください。

ひとつ注意してほしいのが公務員として働く場合、受験資格に年齢制限を設けている自治体が多いということです。シニア世代の方が管理栄養士の資格を取得しても、年齢制限により希望する職種に就職できない可能性があります。

栄養士との違い

「管理栄養士」と「栄養士」は名前の違いだけでなく、可能な職務の範囲にも違いがあります。管理栄養士は病気や身体の不自由など、何らかの問題を抱えている方の栄養管理が主な仕事です。栄養指導や栄養ケアマネジメントなどの業務は、管理栄養士が行うことで加算対象となることもあり、栄養士よりも業務の幅が広くなります。

いっぽう、栄養士の仕事は、基本的に健康な人を対象としているため、給食施設や企業などが主な職域となります。

資格取得方法

管理栄養士になるには、必ず養成施設に通わなければなりません。その後、国家試験を受験し、合格すれば管理栄養士と名乗れるようになります。

出典:管理栄養士・栄養士とは | 公益社団法人 日本栄養士会

最短で取得できるのは、4年制の管理栄養士養成施設に通うルートです。卒業見込みで4年生の冬に管理栄養士国家試験を受験でき、就職も国家試験合格見込みで管理栄養士として就職ができます。

時間はかかりますが、栄養士養成施設に通い、1~3年の実務経験を積むことで管理栄養士国家試験を受験することも可能です。なるべく学校に通う期間を短くし、働きながら受験資格を得たい方に適しています。ただし、栄養士としての仕事もハードなものが多く、働きながら国家試験対策をするのは大変です。

<実務経験として認められる職場>

  • 寄宿舎・学校・病院等の給食施設
  • 食品の製造、加工、調理又は販売業の施設
  • 学校、専修学校、各種学校、幼保連携型認定こども園
  • 栄養に関する研究施設及び保健所等の行政機関
  • 栄養に関する知識の普及向上、その他の栄養指導の業務が行われる施設

やはりゴールを管理栄養士とするのであれば、管理栄養士養成施設に通い、学生のうちに国家試験対策を行うのが最短ルートと言えるでしょう。

国家試験について

<管理栄養士国家試験受験概要>

試験日毎年2月下旬~3月上旬
試験地北海道、宮城県、埼玉県、東京都、愛知県、大阪府、岡山県、福岡県及び沖縄県
受験手数料6,800円
合格基準200点満点中約60%の正答率
合格率約50~60%
試験構成午前(10:00~12:25):97問午後(13:40~16:20):103問計:200問
5択から1~2つの正解を選択する、マークシートタイプ

管理栄養士の国家試験は年1回しか受験チャンスがありません。この機会を逃すとまた1年後となってしまうため、1回で合格できるようしっかりと対策しておきましょう。試験地は全国に9都道府県しかなく、最寄りに試験会場がない場合は、移動手段と宿泊場所を確保しなければなりません。

試験は全200問で、そのうち120点(約60%)の正答率で合格となります。全体の点数によって若干調整されることがあるものの、120点の取得はマストと言えるでしょう。昼休憩をはさむとは言え、約5時間の長丁場になることから、集中力も必要です。

取得するメリット

管理栄養士の資格を取得するメリットは、何と言っても食や栄養に関する知識が身に付くところです。管理栄養士としての仕事に活かせるのはもちろん、生涯に渡り自分や身の回りの人の健康管理に役立てられることから、持っておいて損はないでしょう。

シニア世代が管理栄養士として活躍するには

管理栄養士は食に関する知識が豊富でないと、いい指導はできません。その点、さまざまな経験をしてきたシニア世代は、説得力のある指導ができるでしょう。栄養指導を受けるのも同じシニア世代が多く、実体験をもとにした深みのある指導をされたほうが響く場合も多いはずです。

ただし、管理栄養士の仕事は体力勝負の面があります。給食は調理員がメインとなって作りますが、時には管理栄養士も厨房に立ち、給食を作る必要があります。現場仕事が終わり次第、空き時間にデスクワークをこなさなければなりません。職場によっては早番・日勤・遅番と3交代制のため、ライフスタイルが不規則になる可能性もあります。

また、管理栄養士は大きな施設以外を除き、1施設に1~2人のケースが多くなっています。急な休みが取りづらい場合もあるため、事前に管理栄養士の配置人数や働きやすさを確認しておくとよいでしょう。

まとめ

管理栄養士の平均年齢は約35歳と働き盛りの世代が多いものの、求人情報を見るとシニア世代を歓迎するものもたくさんあります。また、若い世代は出産や育児などで離職し、不規則なシフトにより就業できないこともありますが、子育てが一段落したシニア世代は時間に囚われず働ける人も多く、現場からも重宝されています。資格取得までは大変ですが、食を通じて社会貢献をしたいシニア、プレシニアの方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

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