資格のすゝめ(10)「マンション管理士の資格とは」
セカンドキャリアを検討されているなかで、マンション管理士という資格にたどり着いたシニア、プレシニアの方も多いのではないでしょうか?
マンション管理士は、一言でいえばマンションを適切に管理する手助けを行い、住民の安心とマンションの価値を守るマンション管理のスペシャリストです。
マンション管理士の業務は、住民が抱えているトラブルや問題を把握し、解決していくコンサルタント的な部分が多いのも特徴です。
問題を解決した際には、住民に感謝されるとことも多く、人の役に立つことを直接実感できるやりがいのある仕事と言えます。
この記事では、マンション管理士資格について詳しく解説していますので、興味を持っている方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。
資格を取得する意味、メリット
マンション管理業界において資格保有者は少ないのが現状です。マンション管理士の資格取得には意味があり、社会的ステータスを引き上げることにも繋がるでしょう。
これ以外にも、マンション管理士の資格取得には以下のようなメリットがあります。
・不動産管理会社への就職や転職で有利になる
・高齢者でも独立開業の道が開けるという意味でセカンドキャリアとしてのチャンスが広がる
・資格手当の付与などにより収入がアップする
・他の資格とのダブルライセンスにより独立開業が可能となる
・やりがいを感じる仕事に従事できる
資格を取得するためには
マンション管理士になるには国家資格である「マンション管理士試験」に合格し、指定登録機関である(公財)マンション管理センターに登録する必要があります。
マンション管理士試験は、毎年1回、11月の最終日曜日に実施されており、試験時間は2時間の長丁場となります。年齢や学歴、実務経験等の受験資格は設けられておらず、挑戦しやすい国家試験だと言えます。
試験の内容・合格率
マンション管理士試験の出題範囲は以下の通りです。
設問は四肢択一のマークシート方式であり、マンション管理にまつわる幅広い専門知識が問われます。
<区分所有法と標準管理規約>
いずれも参考書やテキストに記載の条文を読んで、過去問を反復すれば、概ね解けるようになるでしょう。区分所有法と標準管理規約は得点源のため1問落とさないつもりで臨んでください。
<建築基準法・建築設備>
毎年約15問出題されますが、内訳としては、建築基準法からは5問程度、建築設備関連からは10問程度です。試験範囲が広く、対策が難しい科目となっています。
いずれにせよ、過去問だけでは高得点は難しく、テキストの読み込みが必要になります。ゼロから始めるという方であれば、約600時間程度の勉強時間は見込んでおいたほうが良いでしょう。
合格率について
続いて合格率についてですが、概ね8%~10%程度で推移しています。
令和5年度試験合格者の平均年齢は47.9歳であり、合格者の内、40歳以上が74.1%を占めています。
また、60代以上も合格率7.0%と健闘しているのも特徴です。ちなみに最高年齢は78歳でした。
ちなみに、78歳でマンション管理士資格を活かすとしたら、マンションの管理員としてなら雇用される可能性はゼロではないです。もしくは、不動産経験がないと厳しいですが、マンション管理士として独立開業する。また、雇用のスタイルではないですが、自分の住んでいるマンションの管理組合運営に活かすといった3点が考えられるかと思います。
管理業務主任者との違い
マンション管理士と類似した資格に、「管理業務主任者」があります。
マンション管理士も管理業務主任者も、いずれもマンション管理に関わる専門資格ですが、実務上は真逆の立場となります。
マンション管理士が管理組合側(区分所有者及び住民)のコンサルタントであるのに対し、管理業務主任者は管理会社の立場から管理組合側に対する重要事項説明や管理事務に関する報告を行います。
一般的には、管理組合側にマンション管理士がいるという状況は多くはないでしょう。その結果、管理会社の提案や回答が最適解なのかわからない状況でも言われたまま進めるというような管理組合も多いと思われます。
取得経験者の感想
マンション管理士資格を取得し、マンション管理会社に勤務している筆者の感覚では、不動産業界におけるマンション管理士資格の認知度は高く、資格保持者は一目置かれるという印象があります。管理職へステップアップする際の基準のひとつとしている企業もあるようで、不動産業界における価値の高さを物語っていると言えるでしょう。
マンション管理士はセカンドキャリアにおすすめの資格
ここまで、セカンドキャリアにオススメのマンション管理士について解説してきました。
マンション管理士試験は難易度が高く、合格するためには相当な労力が必要になるでしょう。それだけに、合格できれば大きな喜びが得られますし、試験合格にかけた労力を補って余りあるほどのやりがいが得られるでしょう。
セカンドキャリアを充実させるためにも、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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