ーなるほど、その頃からキャリアというかライフデザインの路線に移られたのですね。損保ジャパンのお仕事の傍ら、現在はJADA主任講師・顧問としても活動の幅を広げられていますが、このJADAというのはどういった団体なのでしょうか?
JADAの正式名称は「一般社団法人中高年齢者雇用福祉協会」といいます。Japan Association of Development for the Aged の略称でJADA(ジャダ)ですね。この団体は1973年に設立された一般社団法人で、中高年齢者の就労促進と福祉の向上を図るための啓発事業をおこなったり調査研究をしたりしています。http://www.jada-prep.jp/index.html
JADAは、日本でのライフプランの老舗的な存在で、お陰様で来年の2023年11月に設立50年を迎えます。
これまで個人や企業にむけにライフプランセミナーを提供したり、JADAの賛助会員や東京都、東京しごと財団などのキャリア研修に講師派遣をしたりしています。
ーセミナーではどのようなことを発信されているのでしょうか?
JADAが独自に開発したPREP理論※(トータルライフマネジメント)の3つの柱(➀経済②キャリア(生きがい)③健康)を中心に、これからの人生100年時代、VUCA時代のワーク(仕事)&ライフ(生活)を皆さんと考えていきます。
PREP理論(トータルライフマネージメント)
- 経済:本人と家族の生活設計プラン
- キャリア(生きがい):仕事と日常生活のキャリア開発プラン
- 健康:心と体の健康管理プラン
その他にも、私自身は「学び“加える”」をキーワードとして発信しています。よくリスキリングは「学び直し」と言い表されますが、そもそも元が0(ゼロ)ではありませんからね。これまでの素地に「加える」ほうが正しいと思っています。30~40年の職業経験がある社員には勘も経験もあります、その上でさらに仕事でも余暇でも好きなことを楽しく学び続けることで、その学びを自らの物にしてアップデートしていって欲しいですね。
これから先の人生について、50代も60代も事前準備をしていない人が3割を超えている実態調査もあります。将来のために「覚悟と準備」に気付くことが必要だと思っています。
ー最後にメッセージを頂けますでしょうか
中高年齢者にとってセカンドキャリアはやっぱり準備が大切で、40代前半はウォーミングアップ、少しずつセカンドキャリアについて調べ始めます。40代後半になったらウォーキング、50代前半でジョギング、50代後半へとスピードアップしていくステップです。準備が不十分であれば、場合によっては全力疾走なんてこともあるかもしれません。ただ、早いうちから準備をしている人は、ジョギングのままですんなりセカンドキャリアに移行する人もいますしね。
大切なことは、人生の「加速度」を感じることです。20代、30代、40代と年を重ねるごとに時間のスピードが速くなりますよね。私自身今月で70歳になりますが、10年前の60歳定年は昨日のことのように感じています。とにかくアッという間です。
ですから「そのうちに」と思っている間にアッという間に時間が過ぎていきます。「そのうちに」はNGですね。「今でしょ」とは言いませんが、準備はしておいたほうがいいです。「今のうちに、半歩でも前に踏み出すこと」が大切です。
私もさらに「学び加えて」半歩前進し、MYパーパス※である「梯」(人や社会の”かけはし”になる)の実現に引き続き努力していきたいと思っています。
※パーパス…「企業の存在定義」企業がなぜ存在しているのか等の答えを表現するために用いられる
JADA(正式名称:一般社団法人 中高年齢者雇用福祉協会)とは「人がかわる、組織がかわる、未来をかえる」
中高年齢者を中心とした生涯生活設計やキャリア開発の研修を提供することで、一度きりの人生を悔いなく生き、働くことが出来るよう支援を行っている団体。
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