人生経験の豊富なシニアだからこそ、利用者に寄り添うことができる
続いて、「愛ネット」の代表である境野みね子さんのお話をご紹介します。境野さんには、シニアが就く仕事として介護職はどうなのだろうかということを中心にお聞きしました。
ー基本的なことですが、ホームヘルパーの役割、デイサービスの役割を教えてください。
ホームヘルパーの仕事は、利用者の方が持っている力を発揮できるように、また、維持継続できるように、自立支援をすることです。ご飯を作る、縫物をする、など日常的な行動の際に、声掛けしたり、見守ったりします。また、病気が進まないように、服薬を管理したり、通院を介助したりします。利用者の方ができるだけ長く、在宅で暮らせるように、支援します。
デイサービスでは、リハビリで身体機能の維持・向上をしたり、皆で食事をすることで楽しく社会参加する機会を作ったりします。デイサービスには、会話ができる、友達ができる、やりがいがもてるなど、自宅以外での居場所づくりという役割があります。
ーシニアにとって、介護の仕事はどうなのでしょうか。
シニアの方は経験が豊富なので、利用者の方に寄り添うことができます。ですから、シニアの方に、介護の仕事はとても向いていると思います。若い介護者は、利用者に寄り添うことがなかなか難しいのです。
「愛ネット」では訪問介護(ホームヘルパー)の三分の二が60才以上のシニアです。デイサービスのほうは、若い職員が多いのですが、送迎の運転手、利用者の話し相手はシニアが担っています。いわゆる介護職以外でも、介護の現場にはシニアに向いた仕事があります。
ーどのようにすれば、介護職に就くことができますか。
介護職に就くためには、職安の職業訓練所に行くか、デイサービスに勤めるという方法があります。まずは介護職員初任者研修を受けます。5万円程度かかるかと思いますが、各自治体で助成制度があります。
介護職に3年間従事し、介護職員基礎研修、介護福祉士実務者研修を受ければ、介護福祉士という国家資格を受験することができます。介護福祉士の資格を取ると、常勤、正職員になることができ、給与も良くなります。
介護福祉士の資格を取ってから、5年間介護職に従事すると、ケアマネージャーの資格試験を受験することができます。ケアマネージャーになると、給与など働く条件はさらに良くなります。つまり、介護職に就いて8年経てば、ケアマネージャーになることができます。
ーシニアでもケアマネージャーになることは可能なのでしょうか。
例えば、55才で介護職に従事すれば、63才でケアマネージャーになれます。定年退職した60才からスタートしても遅くないと思います。「愛ネット」には、77才のケアマネージャーがいます。
また、82才の現役ホームヘルパーもいます。介護職は82才でも続けられる仕事だということです。介護はプロの技術があれば、シニアであっても身体に負担なくこなすことができます。それと継続的に仕事をしていると体力的にもつらなくならないので、自分の健康のためにもいいのです。
介護職はきついというイメージがありますが、そんなことはありません。シニアが十分に活躍できる仕事だと考えています。
愛ネットについての詳しい情報はこちらからご覧ください。
株式会社 愛ネット(公式ホームページ) (ainet-care.co.jp)
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