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俯瞰して客観的に自分を見るおおらかさ
ただ歳を重ねる人生を送った人。また逆に、そうではない人生を送ってきた人。その両者の大きな違いは何であるのか。三田村さんはまさに後者の人生の人。
「生まれてからずっと競争社会に身を置いていたか、そうでないか。その中で、より良い何かを、新しい何かを生み出そうとトライしてきたかどうかの違いでしょ。また、1947年から49年生まれの第1次ベビーブーマー世代である団塊の世代、出生人口が減っていった1950年代生まれのしらけ世代。人口の増減に伴って生き残りの競争の量も増減するわけで、それが世代として反映されてしまったということもあると思うなあ。でも、人生って、競争に慣れすぎて欲が強くなるのも良くない。歳を重ねたら、孤立してしまう。だから、バランスをとってプラスマイナスでイコールにすることが大切。いわゆる則天去私というやつね」
夏目漱石が晩年に達した文学観といわれている『則天去私』。解説された文献は残っていなようですが、「私利私欲を捨てて、自然の中でものを見きわめようとする」ということだそうです。
「人間は欲があるから生きているという面もあるけど、天の流れに逆らわず、自分の欲を捨てて、まあもっと自分を俯瞰して客観的に見るっていうぐらいのおおらかさがあって、ようやく中和されるっていうか。そうすれば、相続とか面倒なこととかも、結構許せることも出てきて、逆にストレスをなくすことになると思うし」
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70歳になって改めてのゴルフライフの始まり
ゴルフのキャリアは当然ながら長い三田村さん。けれども、ジャーナリストという仕事でのゴルフとの関わりということもあり、実は年がら年中、ゴルフコースでクラブを振っていたわけではなかったのです。
「70歳という節目を迎えて、臨終の時に後悔することって何かなあと思ったら、その一つがゴルフであったと。心筋梗塞をやって以来ラウンドしてなかったのと、年に数回、もしくは、全くやらなかったこともあったりした人生だったので、死ぬ時にもっとラウンドしておけば良かったと後悔したくなくて。」
そんな時に、関西を代表する名門コースの一つである鳴尾ゴルフ倶楽部の100年史の制作にゴルフジャーナリストとして参画されていた三田村さん。
「昔ながらのゴルフの愉しみである倶楽部ライフが今も息づいていて、ゴルフのルーツである関西らしさというか関東にはない良さが継承されている。それに、スタッフもメンバーも雰囲気のいい人ばかり。プレーもしないで打ち合わせだけして帰京しているのは勿体ないなあ、と思っていたらメンバーに入れてもらえました。それをきっかけに改めてゴルフライフを楽しみ始めたという感じ(笑)」
鳴尾ゴルフ倶楽部のほかに、富士カントリークラブ、カレドニアンクラブで、ゴルフジャーナリストとしてではなく一人のクラブメンバーとして楽しむゴルフライフ。名門コースで優雅ですね、と羨む人もいるかもしれませんが、パラレルワーカーとして慌ただしく半世紀近くを走り抜けてきてのことと考えると、やっと落ち着ける時間に辿り着けたのではないでしょうか。ただ、来年の2月で75歳を迎える三田村さんはゴルフ文化の継承者として、まだまだ活躍されることを多くのゴルフファンや関係者が望んでいるのも確かです。
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インタビュー撮影:藤巻剛
三田村さん著書リスト
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