東京都はセミナーに特色。
シニア短期派遣の支援も
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東京都はセミナーに特色。
シニア短期派遣の支援も(1)
ずいぶんおしゃれになった新宿中央公園に面した都庁。この超高層ビルに東京都産業労働局雇用就業部就業推進課を訪ねて、課長代理(高齢者就業担当)の伊藤 舞さんにお話を伺いました。
よろしくお願いします。まず今のシニアの方々について、どんな印象をお持ちですか。
現在のシニア層は大変お元気です。それに伴い、まだ働こうとする意識・いつまでも働きたいという意識が強いように思います。東京都もそれに応えたいと思っています。
ただ、なかなか就業に結びつかなかったりもします。しかし、医療・介護などの分野では人材不足が深刻という矛盾もあるのです。
シニア就業応援プロジェクトを組んで
積極的に活動
シニアの就業について、なさっている事業はどんな内容でしょうか。
シニアの就業については、東京都産業労働局雇用就業部就業推進課が中心となって対応しています。小池都知事が就任して以来、東京都ではシニアの経験と知識を無駄にせず活用していきたいという考えが強くなり、シニアの就業推進がより活発になりました。現在雇用就業部だけでも約155人の職員が活動しています。
東京都ではシニア就業応援プロジェクトを組んで、東京セカンドキャリア塾、東京キャリア・トライアル65、シニアしごとEXPOに加えて、シニア雇用事例普及啓発事業にも力を入れています。
それぞれの事業の内容について教えて下さい。
●東京セカンドキャリア塾 65歳以上コース
東京セカンドキャリア塾は、65歳以上の高齢者を対象として、就職に必要な知識等を楽しんで学ぶことができる6か月間のセミナー(令和3年10月中旬~4年3月下旬、週1、2回)です。
シニアのセカンドキャリアに必要な多彩な講座を、全46講座無料にて受けられます。受講生同士の相互交流を通して就業意欲の向上も期待できますし、就業支援(個別カウンセリングや面接対策など)も実施します。
希望者が多く、倍率は3倍ほどになっていますので、今年度は定員を増やします。
(お話を伺った時点で事業の詳細が決まっていませんでしたので、事務局で以下*印、追記させていただきました)
*講座のテーマは、時代を知る、自分を知る、幅を広げる・強みを創る、やってみるに分かれます。基本講座の例としては、「ICT時代の情報収集のコツ」「歩き続ける力」「上手な心のコントロール」「アタマの中にあるものを形にする」など。選択講座は、「マネープランの理解」「椅子ヨガ体操」「初めてのPC」「企業見学」などになります。
令和2年度の65歳以上コースは、104名の方が受講し、一般企業への就職、ボランティア活動、NGO団体の立ち上げ等、多種多様なセカンドキャリアへと進みました。
校舎は世田谷と三鷹で、世田谷は日本大学文理学部、三鷹は国際基督教大学内。昨年度まではそれぞれ午前・午後の2クラスずつでしたが、希望者が多く今年度から世田谷を4クラスに拡充しました。
入塾までの流れは、説明会申込⇒説明会入塾申込⇒書類選考⇒面談⇒合否判定⇒入塾となります。開講式には、斉藤孝氏(明治大学教授)の特別記念講演が予定されています。
事業名 | 東京セカンドキャリア塾65歳以上 |
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URL | https://www.biz-senior.tokyo/school/ |
事業内容 |
65歳以上の楽しく学ぶセカンドキャリア塾
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窓口 | 東京セカンドキャリア塾事務局 平日9:00-17:30 |
問合せ先 | 0120-556-075 |
運営元 | 東京都より委託を受け、アデコ(株)社が運営 |
●東京セカンドキャリア塾 55~64歳までのプレシニアコース
55歳から64歳までの方を対象とした、プレシニアコースもあります。これは、セカンドキャリアを考える準備のための基本と選択の全14講座です。昨年度が1回目で、今年は2回目になります。
働いている方が中心ですので、平日夜間コース(2か月)と土曜日コース(1か月)の2コースを用意しました。この2コースも人気で、倍率は4、5倍になっています。昨年度は141名が受講し、講座受講料はすべて無料です。
*基本講座のテーマは、時代を知る、自分を知る、幅を広げる・強みを創る、やってみるに分かれます。基本講座の例としては、「定年後のリアル」「ネクストキャリアに資格を活かそう」「セカンドキャリアプランニング」などになります。選択講座としては、「やりたいことを実現する場所をつくる」「資産運用の基本と応用」「新しいステージへのプランニング」などです。
2コースとも、企業での職場体験を1人2回実施。1回あたり半日~1日で、事前にキャリアカウンセラーとの面談も。入塾までの流れは、東京セカンドキャリア塾65歳以上と同様です。
第2期(12月~1月 西東京エリア)、第3期(2~3月新宿または新橋エリア)も開講予定。
事業名 | 東京セカンドキャリア塾プレシニアコース |
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URL | https://www.biz-senior.tokyo/school55/ |
事業内容 |
生涯現役 今見つめ直すセカンドキャリア
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窓口 | 東京セカンドキャリア塾事務局 平日9:00-17:30 |
問合せ先 | 0120-556-075 |
運営元 | 東京都より委託を受け、アデコ(株)社が運営 |
●東京キャリア・トライアル65
東京キャリア・トライアル65は、65歳以上の高齢者が1週間~2か月間の短期間派遣社員として企業に就業して、働くスキルを身に付け、企業は高齢者を活用する方法を知ることができます。この事業により高齢者の活躍の場を広げることを考えています。
また新たに、派遣就業前に高齢者に事前研修を行うとともに、企業に対しては、高齢者の活用方法をアドバイスする支援を実施することになっています。
*職種は求職ニーズの高い事務職、営業職、IT技術職に限定して紹介します。ホームページや電話により参加申込みができます。その後、就職相談⇒企業とのマッチング⇒職場見学⇒派遣就業開始⇒就業中サポートになります。令和2年度は500件余りの求人案件、400名以上のシニア派遣実績です。
問い合わせ先
https://www.biz-senior.tokyo/trial/
TEL:0120-536-034
ほかにもいくつか計画を考えています。
シニアしごとEXPOは、高齢求職者を後押しして高齢者の就業機会の拡大を図るために、高齢者就業を支援する公的機関が一堂に集まり就業相談ブースを設けるとともに、就業支援セミナーや健康に関する講座を行うイベントを開催します。合同就職面接会も同時開催する予定です。セミナーの一部オンライン化も予定しています。
シニア雇用事例普及啓発事業もこれまでより拡充して行う予定で、都事業を利用して高齢者を積極的に採用・雇用している企業を取材して、高齢者採用後の活用ポイントやメリットなどのノウハウをまとめた事例集と動画を隔年で作成、ウェブ広告を実施して事業周知と高齢者雇用の意識啓発を図ろうという計画も実行していく予定です。