ファイナンシャル塾

退職金の運用方法について考えてみる

今回のご相談者

河崎 様 60歳
61歳以降も会社で継続雇用
子供は2人、まだ下の子が大学2年生
2,000万円ほど、退職金が出た
資産運用や、住宅ローンの繰り上げ返済などを考えたい
河崎 様:

こんにちは、退職金の運用方法について相談に来ました。

蔭山先生:

承知いたしました。
河崎さんの色々個人情報を聞いてもよいですか?

河崎 様:

はい、でも資産運用に必要ですか?

蔭山先生:

とても大切なのですよ。河崎さんが当面使わなくてよいお金なのか
例えばお子さんがさらに院に進学したとして、
数年後に使うかもしれないお金なのか。
もし、そのようなご資金は運用に回してはいけないのです。

河崎 様:

なるほど

蔭山先生:

では、家族構成、収入、貯蓄など伺いましょう。

河崎 様:

云々・・・・(個人情報)

蔭山先生:

河崎さんは、どんな運用がしたいですか?
ガッツリ、儲ける。年金の足りない部分の補填、コツコツ積み立てる。

河崎 様:

今から積み立てってどうですか?

蔭山先生:

そうですね、やはり期間が長い方の方がリスクは分散されると思います。
でも、まだ60歳、10年経ってもまだ70歳ですから。
例えばですね、日経平均に連動する投資信託を10年積み立てたとしましょう。

この10年の運用実績はこんな感じ。

リーマンショック、3.11以降の株式相場には良い10年をとっていますけどね。

先ほどの投信を20年積み立てた場合もこんな感じ。
投資した金額がすぐに倍にはなりません。
でも、お金を大きくしたい!!
そんな投資を考えたいなら株式投資なのでしょう。

河崎 様:

株、株ってお金がなくなったり、借金する人もいるんですよね。

蔭山先生:


借金はしないですよ。最悪投資したお金がなくなっちゃうくらい。
借金する人は、証券会社からお金を借りて株を買っている人だから、
そもそも買えないのに買っているのです。

河崎 様:

そうなんですね。
でも難しそうだし、どこにかけたら良いのかわからない。

蔭山先生:

そうですね
勉強はもちろん必要です。どこでもよいわけではありません
でも、ご年長の方には配当金で利益をとる方が良いのだと思いますよ。

河崎 様:

配当金

蔭山先生:

株式投資は売買益をとる方法、配当金で利益をとる方法、
あとは、利益とは言えませんが、
株主優待が欲しいと思って投資する方がいらっしゃいます。
売買益は、100万円の株が150万円になったら、50万円儲けた!!
という感じなのでしょう。
これは、会社の業績を見たり、必ずではないですし、景気にも左右されます。
配当銘柄は、比較的探しやすいと思うのです。

河崎 様:

何を見たら良いのですか?

蔭山先生:

それはもちろん、会社四季報。
過去3年間、未来2年間の業績が見られますから。

河崎 様:

へー

蔭山先生:

今、ネット証券で口座を開くと、無料で四季報を見ることができます。
また、配当金をしっかり出してくれる会社も探せるのですよ。
ただね、気を付けてほしいのが、
配当利回りの高い会社が必ずしも良い会社ではないのです。

河崎 様:

難しい・・・

蔭山先生:

これは、ある会社の四季報。どこの会社かは内緒です。
この会社の配当利回りは6.72%。
つまり、100万円投資をすると、
67,200円(税引き前)配当金としてもらえるのです
でもね、この会社の配当金ココを見てください。

また、この5年間の株価です。

つまり、配当金はほぼほぼ一定で、
しかし、株価が下がったので、配当利回りが高くなったということなのです。

河崎 様:

なるほど

蔭山先生:

河崎さんだったらどんな会社に投資をしたいですか?

河崎 様:

儲かっている会社。

蔭山先生:

ですよね。

これは別の会社です。
配当利回りは、3.39%しかないです。
でもね、

河崎 様:

すごいですね。10年間増え続けているのですね。

蔭山先生:

ええ、でも私がお話ししたいのは、そこではないのです。
見てください2020年の株価は2280円、配当金は85円、配当利回りは3.73%。
今と変わらない。
つまり、少しずつ配当を増やして、少しずつ株価も上がっていく。
2023年に配当金は140円出るようですから、
例えば2020年3月にこの株を買った人にとっては、
配当利回りは140÷2280=6.14%になるということです。

河崎 様:

なるほど。

今回のポイント

配当は必ず出続けるものではありません。
今までのお話はここ10年の結果ですので、これからをお約束しているわけではないですが、
許容のできる金額でこんなことを考えてみるのもいいと思いますよ。

ただ、ご年長者の急な運用は禁物です。
お金を産む世代と少し違っていますから、
お金を守る、無駄をしないこと考えるのも必要でしょうね。
まずは、いくらまでだったら無くなってしまってもよいのか、
これを考えながら小さな金額で始めて見てはいかがでしょうか?