人生100年時代を考えるお金のあれこれ
2019年、老後2,000万円問題が言われてから、老後のお金について考える方は増えてきました。
今まで、なんとなく収入があって、困ってこなかったけど年金を受け取ることになったら、年金だけで生活できるのかしら?
不安に思う方は多いと思います。
今回のご相談者 山下様(仮) ご主人58歳 年収1,000万円 奥様55歳 扶養の範囲内でお仕事 長男21歳 大学3年生 長女19歳 大学1年生 |
- 山下様:
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将来のお金について心配になって相談に来ました。
まだ、子供にはお金はかかるし、主人は65歳までは働いてくれるようだけど
周りの方はどうしているのかなかなか聞けないし。
- 蔭山先生:
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まずは収入から見てみましょう。
毎月、世帯で収入はどのくらいありますか?
- 山下様:
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主人は手取り40万円、私は8万円くらいですかね?
ボーナスは100万円くらいが夏冬ですかね?
- 蔭山先生:
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なるほど、では年金定期便をお持ちですか?
- 山下様:
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用意するものに入っていたので、持参しましたよ。
- 蔭山先生:
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年金定期便、しっかり見たことはありますか?
- 山下様:
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いいえ
- 蔭山先生:
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じゃあ、一緒に、見方から行きましょう。
65歳からもらえる年金額は、ここに書いてあるのですよ。
ここには今まで加入していた期間、こっちには、今のお給料が書いてあるのです。
とてもすごい個人情報でしょう。
(笑)
このお給料を60歳まで続いたらこの金額がもらえるという表記なのです。
お給料が変わったら、年金額も変わるのですよ。
また、60歳以降働いても年金額は加算されるのです。
ご主人が65歳までお仕事してくださることにしましょう。
まあ、今のお給料で65歳まで雇用というのはなかなかないので、そうですね
相場だと、再雇用後の賃金はだいたい6割くらい。
- 山下様:
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えっ、そんなに減るのですか?
- 蔭山先生:
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そうですね、再雇用ですと、雇用形態も変わることが多いですからね。
まあ、ご主人のお給料が32万円だとして、
年金はこんな計算になります。ご夫婦で年金額はこのくらい、しかし社会保険料をここから支払いますからね
使える金額は大体9割ですよ。
- 山下様:
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へえ、そんなものなのですね。
- 蔭山先生:
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さて、老後の資産形成はここから大変です。
使う金額、山下さんは毎月、どのくらいのお金を使っていますか?
- 山下様:
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家計簿つけていないから、どのくらいなのかしら??
でもほとんど使っていますよ、前はボーナスを貯金に回していたけど
今は、大学生が2人でしょ、ボーナスはほぼ学費に消えちゃうかしら。
- 蔭山先生:
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通帳を見てみましょう。
2021年○月の末日の貯金残高と、2022年○月の貯金残高を比較して
どれだけ貯金できているかでも良いですよ。
- 山下様:
-
増えていない
- 蔭山先生:
-
でも、iDeCoや積み立ての生命保険、財形はしていませんか?
- 山下様:
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iDeCoを月20,000円、保険個人年金を30,000円、あとは財形は50,000
- 蔭山先生:
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なら、月10万円、お金が貯まっていることになりますね。
- 山下様:
-
ふぅ良かった。
- 蔭山先生:
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でもね、世帯収入は820万円、貯金が120万円、学費一人に年100万円だと、
生活費として年500万円使っているということになりますよ。
つまり、月の生活費は42万円。山下様の場合、住宅ローンは組んでいないので
夫婦で年金24万円だとすると毎月生活費に足らない金額は17万円
老後の資産形成は90歳まで考えますから・・・
- 山下様:
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90歳、私は80歳くらいでもういいかと思っていますが
- 蔭山先生:
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日本人女性の余命で考えると、生存率が半分になるのが90歳なのです。
10万人の日本人の女の子が産まれたら、5万人は90歳の誕生日を迎えるって
ことですよ。
- 山下様:
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そんなに?
- 蔭山先生:
-
ええ、ですから老後の資産形成は長く考えないといけないのです。
90歳に、おっとお金が足りない。じゃ、パートにも行けませんでしょ??
- 山下様:
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そうですね。
- 蔭山先生:
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大きな金額が出てきますからびっくりしないでくださいね
17万円×12か月×25年=5,100万円
- 山下様:
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え~、老後2,000万円じゃ足りないじゃないですか。
- 蔭山先生:
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あとは、ご主人の退職金、今積み立てている個人年金、iDeCo、貯金
他運用、でも一番は節約。
余裕のある老後2人以上世帯は、生活費36万円と言われています。
6万円節約できると用意するお金が、6万円×12か月×25年=1,800万円も少なくなるのです。
5100万円じゃなくて、準備する金額は3,300万円
そこから、退職金諸々引き算してでも足りない金額について作戦たてましょう。
- 山下様:
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どんな方法がありますか?
- 蔭山先生:
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資産運用とか、奥様がお仕事をするのもサポートになるのですよ。
- 山下様:
-
なるほど
- 蔭山先生:
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ご年長になってからフルタイムで働くのは大変化かもしれませんが
今ならまだお仕事を探すこともできると思いますよ。
さっき、お教えしたように、将来ご自身のもらえる年金額も増えますしね。
- 山下様:
-
扶養から出たくなかったのですが。
- 蔭山先生:
-
目標達成したら、お仕事を減らしてもいいんじゃないのですか。
是非、ご主人にも今日のお話しをしてみてください。あと2年後にはきっと年収も
減るでしょう、ということは今のようにお金は使えなくなるはずです。
節約は家族の協力も必要ですからね。
- 山下様:
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まずは年金毎月24万円しか使えないということから話してみたいと思います。
今回のポイント
まずは、今後収入がどのように変わっていくのか調べてみましょう。
再雇用、年金額など、
また、その他の収入、退職金や企業年金、個人年金などをまとめておくことも必要です。
退職金、再雇用については会社の先輩方に尋ねるのが一番近い金額が聞けるでしょう。
また、支出をしっかり把握すること。
思いのほかたくさん使っている方は多いようです。
もし、しっかり節約できたら山下様のように、1800万円も必要額が下がります。
1800万円を資産運用で用意するより容易かもしれません。
最後に家族でセカンドライフについてしっかり話し合う。
1人の問題ではありません。しっかり家族の協力も得ましょう。