シニアに向けて新しいスキルを修得すべき時代
日本の経済状況や産業構造の変化により、ある業界の規模が縮小、ある職種が減少するといったようなことが起きています。これにより、新しいスキルの修得が求められる場面が増えているのです。特に、先進技術の進化やデジタル化の進展により、既存の職種が置き換えられるケースが増えているため、個々人の職業能力をアップデートし、新しい分野に挑戦する必要性があります。
また、70歳まで働く時代の到来を受けて、社会情勢に対応したキャリアパスを設計することが社会人として視野に入れることも重要になってきました。これまで積み重ねてきた職種や業界とは異なる分野やスキルに焦点を当て、現状の仕事をしながら新たな資格や知識を身につけること。それが、リスキリング(reskilling)なのです。
リスキリングを成功させるためには、以下のようなステップが考えられます。
目標の設定
次に進みたいと考える分野や職種を明確にし、そのために必要なスキルや資格を特定します。
スキルの評価:
現在のスキルと目標とするスキルを比較し、どのような差があるかを把握します。自己分析やキャリアコンサルティングを通じて、自身の強みや改善すべき点を把握することが重要です。
学習計画の策定
必要なスキルを獲得するために、どのような学習プログラムやトレーニングを受けるかを計画します。大学院や専門学校、オンライン学習プラットフォームなど、さまざまな選択肢があります。
サポートを受ける
リスキリングの過程では、キャリアコンサルタントや専門家のアドバイスを受けることが役立ちます。また、同じ目標を持つグループやコミュニティに参加することで、モチベーションを高めることもできます。
実践的な経験
新しく学んだスキルを実践する機会を見つけることも大切です。ボランティア活動などを通じて、実践的な経験を積むことでスキルはブラッシュアップされていきます。
職務経験の活用
既存の経験と新しく獲得したスキルを組み合わせて、自己PRや履歴書に反映させることが重要です。自らの強みをアピールすることで、転職や再就職活動を有利に進めることができます。
リスキリングの課題
リスキリングは有益な取り組みですが、一部の課題や障壁も存在します。以下は、リスキリングにおける一般的な課題です。
費用と時間
新しいスキルを身につけるためには、学習プログラムやトレーニングに費用や時間がかかる場合があります。
高度なスキルの習得
近年のテクノロジーの進化により、リスキリングに必要なスキルが高度化しているものもあります。特にデジタル技術やAI、機械学習などの分野では、専門知識と実践的な経験が求められるため、一部の人にとって敷居が高くなっています。
効果的な学習手段の選択
インターネットの普及により、オンライン学習が増えていますが、自己学習の場合は、適切な学習教材の選択や学習の進め方を見つけることが難しいことがあります。個々の学習スタイルに合った効果的な学習手段を見つける必要があります。
需要の変化
リスキリングを行う際には、将来の需要を予測することが重要です。一部の分野では需要が増える一方で、他の分野では需要が減少している可能性もあるため、適切な分野を選択することが重要です。
これらの課題を克服するためには、個人としては以下のようなアプローチが役立ちます。
– インターネット上の情報を活用して、適切な学習手段を見つける。
– 職務経験や既存のスキルをリスキリングに活かす方法を考える。
– 専門家のアドバイスを受けるなど、サポートを活用する。
70歳までのキャリアパスを設計するのは大変なことです。働きながら様々なスキルを学ぶリスキリングか、もしくは、一旦仕事から離れて大学や専門学校などの教育機関で学ぶリカレント教育を選ぶか。それも、個々人のキャリアパスでの設計ということです。ただ、何も将来のことを考えずに、会社で日々を過ごしてこれたような時代は二度とくることはないことは確かな事実でしょう。シニアの再就職での企業との出会いの機会を多くするためにも、スキルとナレッジ、マインドセットは重要な鍵を握り続けます。