こちらが、その推移を表した棒グラフです。
ーこのグラフを見ると、徐々に成果が上がってきていますね。
これは広報活動を行って、多くの人に知られるようになったということでしょうか。
広報活動はしました。ただ、チラシを一枚送って、それで皆さんに理解して頂くとは思っていませんので、やっぱり地道に広報を行うことと実績の積み重ねが大事だと実感しています。
あと、高齢者の就業意欲が高くなってきたと思います。その背景としては、年金だけの生活では不安があるのと、社会と何らかの形で繋がりを持っていたいという意識が高まってきたからではないでしょうか。
ー登録者の何割ぐらいの方が就職できるのでしょうか。
だいたい半分、5割ぐらいです。
ー再就職された方々の年齢の構成はどのようになっているでしょうか。
年齢的に多いのは60歳と65歳の方です。定年で会社を辞められた方、継続雇用の終了で会社を辞められた方がやっぱり多くなりますね。70代の方もたくさんいらっしゃいます。
ーどの様な職種に就かれているのでしょうか。
職種の内訳としては、管理的職業、専門的・技術的職業、事務的職業で約4割を占めます。だいたい4割がホワイトカラーというイメージを持って頂ければと思います。
ー「キャリア人材バンク」を通して再就職した方から何か感想はありましたか。
製薬会社で、長い間営業職を全うしてきて、定年を迎えた方がいらっしゃいます。その方は「キャリア人材バンク」を通して食品会社に再就職し、新規開拓に注力して、成果を上げています。その方からは「もう一度、働くきっかけを頂いて、幸せです」と言われました。
また、新卒で大手電気メーカーに入社し、その後、定年退職を迎えた方が、「キャリア人材バンク」に登録して、退職した翌日から新たな会社で働くことが出来ました。その方は「日々、新しいことを教わる楽しみと、教え育てる喜びの双方を味わっています」と語ってくれました。
ー採用した企業側からは、何かコメントはありましたか。
先ほどお話しした食品会社の役員は「確かな経験と営業センスのある方を雇い入れ、インターネット販売やリモートワークなど、苦手としていた分野のレベルアップができた」と言われました。
また、65歳の方を雇い入れた企業の業務部長は、その方の働きぶりを見て「年齢は気にならない」と感じられたそうです。
ー結局、どの様な方が再就職しやすいのでしょうか。
やっぱりコミュニケーションが取りやすい方とか、協調性のある方が上位にきますね。技術技能を期待する以上に、そちらの方が重要ですね。あと、役職にこだわらない方が、おそらく新しい就職先でもうまく行くと思います。
公益財団法人 産業雇用安定センター https://www.sangyokoyo.or.jp/