60歳以降の働き方と年金の関係

伊藤さん

どこを見たらそれがわかりますか?

蔭山先生

年金定期便はお誕生月の2か月前に作成されますから、伊藤さんの場合、ここに478と書いてあるはずなのです。
ですから、経過加算分(不足期間18か月の穴埋め分)を合わせると、だいたい137,000円年金額が増えます。

伊藤さん

んん、月1万円くらいなのね。

蔭山先生

はい、でもこの金額が65歳から、亡くなるまで毎年です。
厚生労働省の簡易生命表を見ると、女性の半数は90歳まで生きるのです。13.7万円が25年ももらい続けられるなら、大きな金額になると思いませんか?

伊藤さん

そうね、あと繰り下げ受給が今年から変わったと聞いたのですが。

蔭山先生

はい、今まで70歳までの繰り下げが、75歳まで可能になりました。

伊藤さん

いつもらったらお得なのですか?

蔭山先生

この質問は難しいですね。いつまで生きるかにもよるのです。
伊藤さんの年金を例に表を作ってみましょう。

蔭山先生

でも、この繰り下げ制度、途中でやっぱりやめることもできるのですよ。

伊藤さん

どういうことですか?

蔭山先生

例えば伊藤さん、68歳まで年金を繰り下げていたとしましょう。やっぱり、長生きする自信がない、もしくはお金が必要になったらこの繰り下げた3年分の年金額をやっぱり一時金で受け取ることもできるのですよ。
だから今、どちらが得か考えなくても、65歳にお元気で仕事を続けているのでしたら繰り下げようかなとか、やっぱり繰り下げた分を一時金で受け取ろうかなと後で考えたらいいのです。

伊藤さん

なるほど

蔭山先生

将来のお金の具合はキャッシュフロー表と言って年表のようなもので一先ずプランをたてます。でもプランはあくまでも今のプラン将来どうなっているかはわかりませんからね。
その時にどのようにも対処ができるように用意しておけばよいのですよ。

伊藤さん

ありがとうございます。これでしっかりお仕事をする決心がつきました。

蔭山先生

それはよかったです

在職老齢年金の支給要件について、年金の支給が停止になっても、お仕事をし続けることで今後、受けとれる年金額が増える仕組みになっています。せっかくもらえる年金ですが、しっかりお給料をもらっていくのも選択かしれませんね。
また、年金の繰り下げ受給については、得?損?回答は見つかりません。年金を受け取る頃に元気であれば、据え置き、将来受給できる金額を大きくする。
仕組みを知ると選択肢が増えます。是非皆さんも、色々な制度にアンテナを張ってみてください。

蔭山あずさ先生

100ten.school 所属、ファイナンシャルプランナー(AFP)/派遣会社をはじめ、企業、地方自治体で数多くのマネーセミナーに登壇。年間300人近くの資産アドバイスを担当しており、豊富な経験、知識から年金や資産運用、金融商品、保険など基礎的なことからわかりやすく解説している。

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